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妻に「どっちの服がいい?」ときかれたら。不機嫌にさせない答え方

定年後に夫婦仲良く暮らすコツ②

 

 その時に、じゃあおれは書籍売り場へ行って本を見ているよ、と言うのもちょっとかたくなすぎるというものだ。妻が服を見ているブランドのコーナーの前あたりで、ぶらぶらして待っているのが普通であろう。

 妻の後ろ姿が見えるあたりで、通行する人の邪魔にならないように人を避けながら、なんとなく見ていることになる。

 妻の様子を見ていると、あの二つの服のどっちにしようか迷っているんだな、ということがわかったりする。

 その時、妻がこっちを振り返り、ちょっと相談したいのという顔をする。その時は、そばへ行って話をきこう。

「この二つで迷っているんだけど、どっちがいいと思う」

 妻にそうきかれて、どう答えればいいのかおわかりだろうか。

「おれにはさっぱりわからんな」

 と言ってはいけない。相談されているのに相手にならないのは問題ありだ。

 AとBの服があるとして、夫はあてずっぽうにAを指さし、「こっちが好きかな」と言えばいいのだ。

 実は、こういう場合、妻の心の奥底では、どっちがいいか決まっていることが多いのである。それで、Bがいいかな、と思っていた妻は夫に、「でもこっちは丈が短いのよね」なんてことを言う。そこで夫が「だったら」と言って、妻がBを買うことが決定するのだ。

 もし夫が、Bがいいかな、と言えば妻は、「やっぱりそうよね」と言ってBを買うのだ。どっちだと答えても、買うものは同じ。でも夫婦で相談して決めた、という気分になれるから、何か答えるべきなのだ。

 そのほか、ふたり暮らし歴37年のベテランの著者が、料理や家事、散歩、旅行を通じて「ふたりだけ夫婦」の生活を充実させるコツを本書で紹介している。

<清水義範著『定年後に夫婦仲良く暮らすコツ』(ベスト新書・KKベストセラーズ刊)より構成>

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清水 義範

しみず よしのり

1947年、愛知県名古屋市生まれ。愛知教育大学国語科卒業。1981年に『昭和御前試合』で文壇デビュー後、1986年に発表した『蕎麦ときしめん』でパスティーシュ文学を確立し、1988年、『国語入試問題必勝法』で吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、中日文化賞受賞。『やっとかめ探偵団』シリーズなど、名古屋を題材にした作品も多い。


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  • 清水 義範
  • 2018.04.07