最後の現役エアジョーダンに選ばれた驚きの「元ネタ」【エアジョーダン秘史(14)】
1985年の1stモデルから今なお続くレジェンドバッシュのヒストリー。
NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンのシグニチャーモデルとして生まれた〈AIR JORDAN〉。誕生から30年を超え、その背景や物語を知らずにファッションアイテムの一つとして楽しむ世代も増えてきた。そんな「マイケル・ジョーダンを知らない世代」のためのエアジョーダン基礎講座として、今なお続くナンバリングを順に振り返りながら、歴史を紐解いていきたい。
第14回は、1998年発売の「AIR JORDAN 14」。
本来は’98-‘99シーズン用だが、MJの引退が濃厚だったために’98年のファイナルで急遽デビュー。モチーフはMJの愛車フェラーリ550マラネロで、ヒールサイドにはエンブレム風のジャンプマンロゴが入っている。優勝を決めた一投は、これを履いて放たれた。
これを履いたMJは、
奇跡の“ラストショット”を決める!
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写真を拡大 スタイリッシュなシルエットの〈AJ14〉。マイケル・ジョーダンの現役NBAプレイヤーとしてのシグネチャーモデルとしては最後のモデルになる。
スポーツカーのイメージで、スピード感あふれる外観に
このシューズのアイデアは、次のようなきっかけで生まれたらしい。多くのクルマが並べられたMJのガレージを訪れたティンカー・ハットフィールドは、「このクルマが好きだな」とフェラーリ550マラネロを指さした。そして、彼はこのフェラーリ550が持つイメージをそのまま新しいシューズーーーAJ14に落とし込もうと考えたのだ。
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写真を拡大 それまでのモデルに比べると薄いタンを使用。タンの先端はメッシュになっており、そこにJORDANの文字が入る。ヒールサイドのジャンプマンロゴも、フェラーリ・レーシングチームのエンブレムを模している。
そのフェラーリのイメージを強く感じさせるのがヒールサイドエンブレムロゴだ。さらに、ソールにはエアインテークを思わせるベンチレーショングリルが設けられている。また、2種類のアッパーが存在するのもAJ14の特徴で、ベンチレーションホールなしのモデルと放射状にベンチレーションホールが入ったモデルがあるのだ。
なお、このAJ14を履いてユタ・ジャズとの’98年NBAファイナル第6戦に臨んだMJは、残り時間約6秒のところで「ザ・ショット」を決めシリーズを制している。
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