「ワンオペ育児」妻にとっては“自分事”、夫にとっては“社会問題”
育児問題のとらえ方に見る、夫婦間の認識のズレ
育児を通した夫婦関係について、「夫」目線で考える本特集「『イクメン』って結局なに?」。編集部で実施したアンケート(0〜6歳の子どもを持つ20〜50代の男女500人が対象、2018年2月14日~15日集計、協力:アイブリッジ)により、夫も妻も、特に「育児」がお互いに対する大きな不満要素になっていることがわかった。
そして、具体的な不満の内容を見ると、それぞれに「ある特徴」があることに気づく。それは、妻が育児を身近な問題と捉えているのに対し、夫は社会全体の問題など、より大きなテーマと考えていることだ。この“ズレ”について詳しく見るべく、同アンケート調査において、「ワンオペ育児」に関してどう思うか、についての男女それぞれのコメントを紹介したい。
そして、具体的な不満の内容を見ると、それぞれに「ある特徴」があることに気づく。それは、妻が育児を身近な問題と捉えているのに対し、夫は社会全体の問題など、より大きなテーマと考えていることだ。この“ズレ”について詳しく見るべく、同アンケート調査において、「ワンオペ育児」に関してどう思うか、についての男女それぞれのコメントを紹介したい。
●「ワンオペ育児」に共感する女性たち
主に妻が家事・育児を一人で行っている状態のことを「ワンオペ育児」といいい、近年社会問題として認知されつつあるが、男女それぞれこの問題をどのように考えているのか。
まず目についたのが、コメントの文字量の男女差だ。夫からは「女の人は大変」(47歳男性・会社員)、「自分は家事、育児に参加しているため、大丈夫だと思う」(36歳男性・会社員)など、ひと言程度のあっさりした回答が多くみられた。
一方の妻のコメントは「ワンオペ育児の話を聞いていると、本当にそうだなと思う。母親だけの子どもではないのに、男の人は自分優先な人が多い。すべてを犠牲にしろとは思わないが、まずは自分よりも家族という基盤の上で考えて行動してほしい」(28歳女性)のような、長文回答が多い。育児問題への熱量の差が、コメントの文字量から伺える。
さらに母親の意見を見ていくと、ある共通点に気づく。それは、共感の声の多さだ。
「まさに我が家はワンオペ。夫は、この状況を当たり前に思っているだけでなく、育児=遊んでいるだけ、家事=誰でもできること、という考え方をしているので、仕事をしている俺(夫)のほうがエラいと思っている。子どもが自立したら離婚したい」(34歳女性・医療関係者)
「妊娠中は、家事をサポートしてくれるなど気遣ってくれていたのに、産後は家事育児を手伝ってくれなくなった。これがワンオペ育児なんだと感じた」(28歳女性・専業主婦)
「子どもと関わる時間が私より少ないので、育児がうまくできないのは理解しようと思うが、ワンオペ状態が続くと、どうしても心と体力がもたず主人にイライラ。私は、子どもを育てながら主人を父親に育てるところまで手がまわりません」(30歳女性・専業主婦)
このように、妻たちからの「うちもワンオペです!」という声が多数を占める結果に。彼女たちにとって育児の問題はとても身近な問題なのだ。
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