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エディーHC「プレッシャー」に弱い人間へアドバイスを送る

生まれつきプレッシャーに強いタイプと、鍛えて強くなったタイプ【「プレッシャー」の力④】

プレッシャーを避けるではなく、うまく利用する――。日々重圧の中で戦う日本のビジネスマンに向け、現在ラグビーイングランド代表で指揮をとるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)がアドバイスを送る。特別連載第4回。

■生まれつきプレッシャーに強いタイプとそうでないタイプがいる

――人それぞれが置かれた状況の中で様々なプレッシャーを抱えている。まずは自分にとってのプレッシャーの本質を理解することが、適切な対処方法の第一歩。これを実践する上で、何かアドバイスは?

 プレッシャーに対する強さを決める要素はふたつある。先天的な性格と、後天的な人生経験の結果だ。何もしなくても生まれつきプレッシャーに強いタイプの性格の人もいるが、その後の人生の過程で、プレッシャーに強くなっていく人もいる。わかりやすいのが成功体験だ。自分の場合、幸いにも、学生時代から強いスポーツチームでラグビーやクリッケットをプレーし、大事な試合に勝ってきた。勝ち癖をつけることにより、大舞台でのプレッシャーを楽しめるようにすらなる。

 以前参照:エディーHC 選手時代の苦い経験。気付きを与えた1冊の本にも話したが、私はシドニー選抜チームでの初めての練習で、プレッシャーに押しつぶされた苦い過去がある。しかしその後立ち直ることができたのは、そこまでの人生である程度の成功体験を積み重ねていたからだと思う。厳しいプレッシャーのかかった状態でも、必ず乗り越えることができると、信じることができた。

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エディー・ジョーンズ


 



1960年、オーストラリア、タスマニア州バーニー生まれ。オーストラリア人の父と、日系アメリカ人の母の間に生まれる。1990年代初頭まで、当時オーストラリアの最有力州チームだったニューサウスウェールズ州の代表として活躍、その後引退し、コーチに転身する。2003年、オーストラリアの代表監督としてW杯準優勝、2007年、南アフリカのテクニカルアドバイザーとしてW杯優勝。2009年、サントリーのゼネラルマネージャーに就任。2010年度より監督も兼任し、日本選手権優勝。2012年、日本代表ヘッドコーチに就任。2015年のW杯では、世界的な強豪南アフリカ代表に歴史的な勝利をして、ラグビーファンだけでなく日本中の注目を集めた。現イングランドの代表監督。イングランド代表に就任してからチームは連勝街道を走り、今年2月のシックスネーションズが始まるまでは23戦22勝。今年のシックスネーションズは、3敗を喫したがまだチームは成長過程。2019年、日本で開催されるラグビーW杯での優勝を見据える。


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