立川談志が弟子にしかけた激しい「無茶ぶり」、その真意
大事なことはすべて 立川談志に教わった第2回
■まだまだ身分は「前座」
『師匠はにっこり笑って、私の父親にまず一言、「殺しはしませんから」と言いました。』
そんな感じで立川談志さんの元に入門がかなった談慶さんですが、まだまだ身分は「前座」でもありません。談志師匠の元には、すでに17人ものお弟子さんがいました。そう、談慶さんは18番目の弟子であり、一番下っ端の「見習い」。どんな習い事でもそうですが、噺家に入門したって言っても、初っ端から落語を教えてもらえるわけじゃありません。最初は師匠の身の回りの世話や雑用です。兄弟子たちの師匠への接し方を見て学び、前座へ上がる準備をします。それがどんなものであったか。第2回は『人から嫌われないための修行、それが前座』をお送りしましょう。