立川流の「二つ目、真打ちへの昇進基準」はなぜ厳しかったか
大事なことはすべて 立川談志に教わった第4回
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日本の一般企業も、仕事の成果や実力で評価されるようになってきたとは言え、まだまだ年功序列の感が残っています。しかし、立川流では落語の実力だけでなく歌舞音曲、つまり歌や踊りまでも昇進基準に入っているのです。これは一見破天荒に見えた談志師匠が、“芸人たるもの幅広い芸に通じていなければダメだ”という伝統を重んじる方だったからではないでしょうか。そのためには、修行時代は人格や個性を認めない、基本に忠実であれということなのでしょう。次回はそんなお話を談慶さんなりの視点と分析でお送りいたしましょう。