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「かまわぬ」「あさくさ」…江戸時代の判じ絵が面白い

絵文字進化論第1回【後編】

●「レブス」

 このように見ると、確かに日本には古くから絵文字の文化があったと納得できますが、西洋にも、実は判じ物のような遊びが存在していました。「レブス」と呼ばれることば遊びですが、絵や単語の発音などで解かせるパズルのようなものです。

 古いものは、15世紀まで遡れて、日本の絵暦のように、絵だけのものがあれば、絵と文字を組み合わせたものも少なくありません。特に有名なのは、1582年にフランスで刊行されたことば遊び辞典のような本です。

写真を拡大 図4 ハートマークや鎌を使ったレブス 出典:Étienne Tabourot “Les bigarrures et touches du seigneur des Accords” (1582)、フランス国立図書館所蔵

 現代の絵文字でもよく使われるハートマークがすでに見られますね。鎌らしきものも出ています。

 ちなみに、「SwiftKey Emoji Report2015」という世界各国におけるEmojiの使われ方の調査によると、フランスで最もよく使われる絵文字はハートだそうです。他の国のほとんどは、トップ絵文字が笑顔?なのに、フランスだけは平均と比べて4倍もハートの絵文字が使われていると、フランスらしいですね❤️

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シャルコ・アンナ

1988年生まれ。ロシア、シベリア地方出身。地元の大学で日本語を勉強し始めたことをきっかけに、日本の文字文化に魅了され、国費留学生として来日。2012年に早稲田大学の大学院に入学して、笹原宏之教授の元で日本語の文字・表記について研究を続けてきた。ポルトガル人と国際結婚して、1歳の息子を子育て中。現在はイギリスに在住。


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