最近、「◯◯女子」の「女子」の年齢が上がりすぎている件。
バブルを抱きしめて④
■30代、下手すると40代の女が「女子」を名乗ってる
――本の中に「カープ女子」という言葉が出てきてふと思ったんですけど、◯◯女子とか☓☓男子っていう言葉は平成になってから使われだした言葉ですよね。
島村 あれの元祖とも言える中尊寺ゆつこの「おやじギャル」が出たのが平成になってからですからね。あれは競馬場とかパチンコ屋、居酒屋、ゴルフ場といったオヤジの聖地に出没する若い女の子という設定で、まあ、バブルの申し子的な存在でしたよね。
――僕、昔、中尊寺さんとゴルフしたことあるんですけど、バンカーに入った球がなかなか出なくて、最後「手の5番」とか言っていきなりそのボールを手で拾ってグリーンに向かって投げるの見たときは、本物のオヤジを越えてるなと思いました。彼女は早くに亡くなっちゃいましたけど、あの頃の女の子はみんなホントに元気でしたね。
島村 あの、私ひとつ言いたいことがあるんですけど「◯◯女子」の「女子」って明らかに最近年齢層が上がってません? 30代、下手すると40代の女が「女子」を名乗ってるでしょ。ええかげんにせえよと思います。なにが「女子会」かと。ただのオバハンの寄り合いとかメシ付きの井戸端会議やろと。
――島村さんの中では女子を名乗っていいのは何歳までくらいなんですか?
島村 23歳までにしてほしいです。
――けっこう厳しいですね。それ男性が言ったら大問題になりそうですが。
島村 平成になって、みんな若さに対する執着が強くなったように思いますね。若作りが基本でしょ。昭和は、オバちゃんはオバちゃん、オッサンは堂々とオッサンでいられた時代だったと思います。酔っ払ってネクタイ鉢巻にしてフラフラ踊っているのが正しいオッサンの姿だというのがあったでしょ。下ネタのオヤジギャグ飛ばしながら。
――ちょい悪オヤジとか、ああいう気持ち悪いのが出てきたのが平成だと。これ、個人的な意見なんですけど、いい年して髪の毛を茶色だとか金色にしているオッサン見るとほんとに悲しくなります。「美魔女」と呼ばれている人たちもたいがいですけど。
島村 この本の中にも書きましたけど、昭和と平成の違いのひとつが「愛人像」だと思うんですね。例えば、山崎豊子の『白い巨塔』は昭和と平成でそれぞれテレビドラマ化してますよね。昭和は財前五郎が田宮二郎で、その愛人のケイ子が太地喜和子。平成バージョンは唐沢寿明と黒木瞳なわけ。それで見比べてみると、やっぱりスケール感がぜんぜん違うんですね。容姿的に造形が整っているのは黒木瞳なんだけど、太地喜和子にはもうブラウン管(笑い)から溢れ出てお茶の間にしたたり落ちそうなくらいの色気と田宮二郎を慈母のように包み込むような母性があるわけ。
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