往年のファンですら斬新さに戸惑った「20年目のAJ」【エアジョーダン秘史(20)】
1985年の1stモデルから今なお続くレジェンドバッシュのヒストリー。
第20回は、2005年発売の「AIR JORDAN 20」。
エアジョーダンシリーズの20周年アニバーサリー色が色濃いAJ。
ティンカー・ハットフィールドが久々に手腕を振るうが、斬新すぎるデザインに、誰もが戸惑ってしまう。
シリーズ20周年を祝った特別モデル
I.P.S.ポッドシステムが初採用される
ジョーダンが傾倒するバイクをモチーフにしたAJ
ジョーダンシリーズ20周年のアニバサリーイヤーに、ティンカー・ハットフィールドが久々にデザインを担当したスペシャルAJ。デザインソースは'05年からスズキとレース活動を行うことになったジョーダンが傾倒するモーターサイクルがモチーフで、ご丁寧にジョーダンがこのAJでバイクを運転できるよう、つま先の内側に補強まで追加してある。
テクノロジー面では、アウトソールI.P.S.(インディペンド・ポデュラー・サスペンション)ポッドを採用。このグリップは肉食獣の肉球のようにしなやかにコートを捉えるべく開発されたため不安の声も聞かれた。加えてミニマルでメタリックなアッパー、レーザーで描かれた記念グラフィック、完全に独立分離したアンクルストラップなど、斬新すぎるデザインは街履きでもオンコートでも好き嫌いがハッキリ分かれた。だが一方で、ハマるファンには熱狂的に受け入れられた衝撃作でもある。
これがバッシュ?斬新なデザインに話題が集中した
メタリックな外観だが、有機的なデザイン。ローカットのようだけど、アンクルストラップは存在するーーこれまでさまざまなハイテクバッシュを見てきたファンでさえ、AJ20には戸惑った。基本的には'90年代クロトレの「エアカー二バル」の文法をなぞったような不思議なデザインだ。
レーザーグラフィックの都市限定モデルも目玉に
もともとローカットのようなシルエットを持つAJ20。レギュラーの3色がリリースされた後は、ハデなレーザーグラフィックをアッパー全面に施した3都市限定モデルが追加される他、バリエ自体は少ない。
とにかくアニバーサリー色が濃いAJ20。5都市限定で展開されたカラーにはシューレースストッパーにその都市を表現するアイコンが型押しされるなど、ディテールにも凝りまくった。アイコン性の高いシリーズだ。
*参考文献『スニーカーJack Premium「まるごと1冊エアジョーダン23周年』(小社刊)