日本のネット界に蔓延る「ユートピア志向権力者共同謀議説」に御用心【藤森かよこ】
ユートピアの実現など夢見ている暇はない
■極めつけのユートピア志向権力者共同謀議論は「ネサラ/ゲサラ法」
これらの「正義を行使するための秘密作戦」という記事や投稿のソースを探してみると、実現されるべき正義とは、具体的に言えば、「ネサラ/ゲサラ法」というものらしいと私は推量した。
「ネサラ/ゲサラ法」に関するブログ記事やネットエッセイ(noteなど)やソーシャルメディアへの投稿やYouTube映像は、検索すればネット界にいくらでも見つけることができる。実におびただしくある。
「ネサラ/ゲサラ法」について、おおよそのことを知りたければ、2021年3月26日に電子ブックとなって発売された笹原シュン著の『NESARA/GESARA:来るべき世界の新たな経済システムとは?』(Amazon Services International, INC.,2021)を読めばいい。
著者の笹原シュン氏は、笹原シュン☆これ今、旬!! (shunsasahara.com)というブログで知られる人気ブロガーである。Twitterで21,968名(2021年4月23日23時11分現在)のフォロワーを持つ、知る人ぞ知る「Twitter界の陰謀論スター」だ。
「ネサラ/ゲサラ法」については、すでに2004年にケイ・ミズモリが『世界を変えるNESARAの謎—ついに米政府の陰謀が暴かれる』(明窓出版、2004)を発表している。アメリカで、このテーマで書籍がいろいろ出版されるようになったのは2010年代に入ってからなので、ケイ・ミズモリは早い! 彼(彼女?)のニュース・ソースが気になるが、ミズモリの書籍は絶版状態なので、入手が難しく私は未読だ。英語版のほうは注文したが、まだ届いていないので、これも私は未読だ。
■ネサラ/ゲサラ法とは現行の経済金融システム改革案
ネサラ(NESARA)というのは、National Economic Security And Reformation Actの略で、訳すと「国家経済安全保障改革法」になる。この国家というのはアメリカのこと。
ゲサラ(GESARA)というのは、Global Economic Security And Reformation Actの略で、訳すと「地球経済安全保障改革法」になる。こちらは地球規模のことになる。
どんな「経済安全改革法」かといえば、アメリカに適用されるものとしては、具体的には次の19項目だ。NESARA | IntoTheLight.news。20項目だという説もある。NESARA/GESARA – HQPE
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国際金融資本家による不正行為によって人々に課せられている銀行の債務はすべて免除となる。抵当もクレジットカードも住宅ローンもすべて免除。
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所得税の廃止。
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国税庁(IRS: Internal Revenue Service)の廃止。国税庁の職員はアメリカ財務省の国内売り上げ部門(the US Treasury national sales tax area)に移管。
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嗜好品や新品のみ14%(17%という説もある)の均一付加価値税がつき、食料や薬や中古品は非課税となる。
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高齢者に対する社会保障給付を増大させる。
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すべての法廷と司法を建国のアメリカ合衆国憲法に回帰させる。
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正統な血統を持つ貴族を復帰させる。
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ゲサラの公式発布後120日以内に新大統領を選び議会選挙を実施する。
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選挙の監視。非合法な選挙活動の防止。
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一種の金本位制の復活。金や銀やプラチナの貴金属に担保された新しいアメリカ合衆国虹色通貨(US Treasury rainbow currency)を創設する。
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アメリカ運輸局による家畜資産債権(chattel property bonds)としての米国出生証明書記録の売買禁止。
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アメリカ合衆国憲法に即したアメリカ財務銀行システムを開始する。
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連邦準備銀行制度(the Federal Reserve System)の廃止。ただし連邦準備銀行発行紙幣が排除されるまでの1年間に限り、連邦準備銀行は財務省とともに機能することが許される。
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金融上のプライバシーを回復させる。
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全裁判官と弁護士をアメリカ合衆国憲法に回帰させる。再訓練させる。
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世界中に広がっているアメリカ合衆国の攻撃的軍事行動をすべて停止する。
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世界平和を達成する。
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人道的目的のために、莫大な額の資産全部を放出する。
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安全保障という偽装のもとに公には隠蔽されてきている科学技術のうち6,000を超える特許技術が放出される。それにはフリーエネルギー装置、反重力、音波治療機器が含まれる。
(20番目として「核兵器の廃絶」を挙げる説もある)