サッカーライター経験ゼロでドイツに飛んだ男のキャリア戦略
職業としてのサッカーライター①
■そして日本へ逆輸入。『ストライカーDX』へ合流
ブログがきっかけでスカパーから執筆依頼が来たり、少しずつ仕事がもらえるように。また、ブログは当時『ストライカーDX』の編集者だった北健一郎さんの目にもとまっていた。これが後の日本でのキャリアにもつながっていく。
「ドイツ時代、フランクフルトの空港で北健一郎さんに会ったことがありました。彼はブログを読んで面白いと思ってくれていたみたいで。そのときに『いまストライカーで欠員が出るかもしれないから、出たら声かけてもいいですか?』と言うので、『ぜひお願いします』と」
そんなやりとりがあってから間は少し空いたが、『ストライカーDX』が人員を入れ替えて方向転換を図るタイミングで無事合流。
『ストライカーDX』では、あらためて「書く」ことのやりがい、ライターの適性を確認できた。
「(『ストライカーDX』は)技術誌なので、試合レポートを書くチャンスは多くなかったけど、たまにウェブで日本代表戦とか、高校サッカー選手権のレポートを担当する機会があって。それを『面白い』とか『独自の目線がある』と言ってくれたのは自信になった。(雑誌の)編集者ではあったんですけど、(自分の適性は)どちらかと言うとライターだなと。それは編集長にも言われていました。あと一緒にやっていた北健一郎がとんでもなく編集センスがある男だったので、自分はちょっとかなわないなと。なので、編集者とライター、両方やりながらも、軸足はライターでしたね」
その後、フリーライターとなってからの活躍は誰もが知るところ。2012年に上梓した『サッカー「観戦力」が高まる』(東邦出版)はベストセラーとなり、ヤフーニュース個人でも、サービス立ち上げ時から執筆陣に名前を連ねた。
次回は、書き手として意識していることを聞く。