キャリアウーマンか、肝っ玉母さんか…。“女帝”マリア・テレジア
歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第40回 ~マリア・テレジア~
〇知性50%(印綬、偏印)
「知性」を持っている人は様々な分野の知識が豊富で、論理的に物事を捉えることに長けている。中でも「印綬」は学校の勉強が得意で幅広い知識を持っている。優しい性格で人に何かを教えることも好き。「偏印」は、学校以外の勉強が得意で、ひらめき、アイディア、企画力は抜群。飽きっぽいところもあるが、変化にうまく対応できる。
テレジアは国民に対しても、教養を身に着けてほしい、そんな思いが強かったのだろう。テレジアの功績の一つとして、小学校の設立がある。読み書きのような基礎的なことを誰もが学べる制度を作らなければならない、それこそが生産力の増大につながると考え、帝国全土に均一の小学校を作り、国民の子弟はそこに通わせるべしという制度を作った。しかも、テレジアは小学校の新設に際しても存分にその知性を生かした。職にあぶれた下位の聖職者や働き口のない学生らを先生とし、学校の設備そのものも修道院の跡などを利用した。新設費いらずのまさに一石二鳥の施策。フンボルトによるプロイセンの教育改革より半世紀前の出来事である。
○人脈40%(正財、偏財)
コミュニケーションをとるのが得意で人脈が豊富であるが、お人よしで断りきれず、騙されやすい面も持つ。また、お金の星でもあり、多くの財に恵まれる。中でも、正財(せいざい)は、いい人材と信頼関係を築くことができ、偏財(へんざい)は、幅広い人脈を手に入れることができる。
23歳の時に父親のカール6世が急逝し、テレジアは何の準備もできないままハプスブルク王朝の君主の座に就いた。君主はそれまで男性が継承してきたため、神聖ローマ帝国内のバイエルンやプロイセン、イギリスやフランスは大反対。プロイセンのフリードリヒ2世は軍隊を差し向けてシュレージエンを強奪し、バイエルンのカール・アルベルト公は神聖ローマ帝国の皇帝の冠をハプスブルク家から奪い、一時カール7世と称した。
肥沃なシュレージエンを奪われた上、皇帝の地位までをも喪失して大ピンチのテレジア。北から、西から、南から一斉攻撃を受けている。となると、頼れるのは東隣のハンガリーしかいない。そう考えたテレジアは、元来馬術に長じたハンガリーのマジャール人と対峙するため、馬術の訓練に励んで磨きをかけ、身重な体でハンガリー議会に乗り込んだ。危険な橋を渡るこの行為に、勝算の見込みは薄かった。しかし、20そこそこの女帝が涙ながらに大演説を繰り広げるその行動に、ハンガリー貴族達はすっかり心を奪われたのだろう。最終的にオーストラリアへの協力を取り付けた。ハンガリー軍の協力により、オーストリアは取られかけた領地を奪い返し、さらに敵地バイエルンをも占領してしまった。これぞテレジアの真骨頂。人脈の星に代表されるように、おじさま転がしの人たらしだったのだろう。
また、「財」に恵まれたテレジアだが、子宝においても言える。いくつもの戦争が勃発し、大変な事態は続くのだが、その間にたくさんの子どもに恵まれる。その数、男の子5人、女の子11人の計16人。男性で子だくさんはよく聞くが、それはあくまで複数の女性(妻、側室等)に産ませた場合。テレジアは、一人で16人もの子どもを産んだ。計算するに、常に妊娠していたということだろう。またすごいことに、その子どもたちをヨーロッパ各地に送り、確固たる権力を築いていく。長男のヨーゼフは皇帝の座に、3男のレオポルトはトスカーナ公国の大公に、そして11女のマリーアントワネットはフランスのルイ16世に嫁いだ。子どもという「財」を存分に生かし、ヨーロッパにおいて確固たる地位を築いていく。
○自立心10%(比肩)
「自立心」の星は、他人に頼らず自分が信じた道を突き進む強い精神性。中でも、「比肩(ひけん)」は、自立心、独立心旺盛のマイペースタイプ。頑固で束縛を嫌う。一匹狼で負けず嫌いである。
1760年に夫であるフランツ・シュテファンが亡くなった後、長男のヨーゼフ2世が皇帝に就任。テレジアはヨーゼフ2世とともに共同統治を行った。しかし、若いヨーゼフ2世はほとんどお飾りで、大半の政治をテレジアが行っていた。ヨーゼフ2世が成長し、少しずつ政治に口をはさむようになると、何事にも急進的なヨーゼフ2世は、国家の改造をまい進的に推進しようとするテレジアとの間で、意見が対立することも多かった。例えば、テレジアは温和な平和外交を薦めようとしたのに対し、ヨーゼフ2世は領土拡大政策を推進し、ポーランド分割にも関与した。お互いの政治的思想がどうだったかという話はさておき、テレジアは(ヨーゼフ2世もかもしれないが)全てを自分の思い通りにしたい!自分が絶対に正しい!という強い思いを持っていたのだろう。
続いて、十二運星を見ていく。