柏木陽介の未来日記⑦ 「ヤマさんに恩返し!」
雰囲気が良ければ笑顔が生まれる
いよいよ僕自身、浦和レッズに移籍して5年目のシーズンがスタートした。今年こそは!という気持ちは強いなか、今季頼もしい新しい戦力がレッズにやってきた。
シュウくん(西川周作)とチュンくん(李忠成)。
ご存知のとおり、ふたりとも僕と同じでミシャ(ペトロビッチ監督)のかつての教え子だから、サッカー的にはスムーズに入れると思うからすごく楽しみで仕方がない。
シュウくんは、僕がレッズに移籍したタイミングで、大分トリニータからサンフレッチェへやってきたから、同じチームでやったことがない。でも、北京五輪のチームでずっとやってきたので昔からサッカー仲間として付き合っている。
チュンくんとは、サンフレッチェ時代に一緒にプレーした仲間。レッズへの移籍が決まったときは「また一緒に頑張りましょう!」という感じで電話をもらった。
気心知れた指揮官のもとで、気心知れた仲間と一緒にプレーができる。そんな環境のなかでタイトルを獲ることを想像しただけでも、いまからワクワクする。
このふたりに対して、個人的には、浦和レッズ移籍組の先輩ではあるけれど、彼らに僕から言えることは……ほとんどない(苦笑)。
というより、元々、彼らはすでに移籍を経験している選手だし、しかも新天地でいろいろな苦労を重ねてしかも結果を出してきた。だから、とくに僕があれこれアドバイスを送れる立場ではないと思うけれど、僕ができることはひとつだけ。
チームの雰囲気を良くすること!
そうすれば、新しい仲間もスムーズに溶け込めるようになるはずだから。
そのあたりのサポートは積極的にしていきたい。僕自身もいい雰囲気のなかでサッカーをしていきたいし、雰囲気が良ければ自然と笑顔が生まれるはず。そうすれば、みんながポジティブに取り組めるようになれると思うから。
ベテランの存在なくしてレッズなし!
シュウくんやチュンくんに対して、僕がサポートできることはなんでもしていくつもりだけど、むしろ、僕自身がベテランの選手たちにサポートされながら、プレーさせてもらっている状況である。
坪井さん、平川さん、啓太さん…。ベテランの選手たちがいるから、僕たちはのびのびとやらせてもらっている。
たとえば、坪井さん。たとえ試合に出られなくても文句を言わずに日ごろからしっかり全力で練習に励んでいる。その姿を見るたびに、試合に出ている選手たちは試合に出られない選手の分まで頑張らないといけないという気持ちにさせてくれる。
平川さん。チーム状況に応じて厳しい言葉をちゃんと言ってくれる。チームのためにみずから“嫌われ役”を買って出てくれる。それによって、チームが引き締まるし、僕たちにときとして渇を入れてくれているから、いつも本当に助けられている。
さらには啓太さんや阿部さん。ふたりには、いまさら僕から言う必要もないと思うけれど、すごく経験豊富な人たちだから、プレーでチームを引っ張ってくれている。黒子に徹するそのプレースタイルで、みんながピッチ上で助けられている。
そして、偉大なるレッズのシンボルとして長年活躍されてきたヤマさん(山田暢久)にも本当にいろんなことを学ばせてもらった。
あらためて感じるのは、レッズというチームは本当に素晴らしい選手たちの集団だということ! 素晴らしい先輩たちがいて、それに加えて、日本一のサポーターからも支えられている。サッカーをする環境としては、こんなに素晴らしい環境はない。
これまでの先輩たちが培ってきた努力と経験のもと、レッズというチームは成り立っている。そのことをいまいる僕たちは感謝して、切磋琢磨していくのは当然だろう。
8年ぶりのタイトル獲得。この目標を達成することが、最高の恩返しだと思っている。なにより引退したヤマさんに……。
2014年の「未来日記」には「ヤマさんに恩返し!」
これを絶対に実現したい。
長いシーズンを戦いぬくためにも、まずは宮崎キャンプでしっかりコンディションを上げていかないとね。それではまた2週間後!
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