「正義に御用心!」正義もまた胡散臭いものと思えるのは教養【藤森かよこ】
正義のために事実は黙殺されがち。正義の行使の動機が善とは限らない。
■正義の行使の動機が善とは限らない
バイデン政権が、自国民の失業率も決して低くはないのに移民をどんどん受け容れているのは、移民によって建国された共和国のアメリカであり続けるためのアメリカの大義の実践であるのだろう。移民の人権を尊重するという正義の実践でもあるのだろう。
とはいえ、移民の人権と生活を十分に保障できるだけの法的整備や人材や財源や施設の確保ができないままに移民を受け入れれば、いずれ移民たちはアメリカでの生活に窮し、犯罪に手を染め、治安を悪くする。そんなことは明々白々なのに。
こうなると、ついつい私は疑ってしまう。「バイデン政権は、正義を実践するような顔をしているだけで、アメリカを混乱分裂させるために移民を受け容れているのではないか? Black Lives Matterで騒いでいた人たちがアメリカ人であるとは限らない。デモ参加要員として、国内騒乱要員として、移民を利用するつもりで移民を受け入れているのではないか?まともに働いている人間はデモに参加している暇はないのだし」と、トランプ支持派アメリカ人と同じようなことを思ってしまう。
「移民の人権と生活を十分に保障できるだけの法的整備や人材や財源や施設の確保ができないままに移民を受け入れる」という問題は、決して他人事ではない。日本にも、「技能実習生」という名目で日本に入国した移民に対する奴隷労働問題がある。
◆世界が「奴隷労働」とみる技能実習制度の虚構 「移民大国」日本・私の提言⑤:朝日新聞GLOBE+ (asahi.com)
コロナ禍で失業した元技能実習生が追い詰められて犯罪者になることもある。
◆きつい仕事、コロナで解雇、行き場失い集団生活…犯罪に<夢見た果てに 追い込まれるベトナム人㊤>:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
◆困窮する外国人技能実習生 日本人が犯罪をそそのかす構図も|NEWSポストセブン (news-postseven.com)
ベトナムからの技能実習生を酷使するブラック企業や、その奴隷労働の実態を描いた映画も制作された。
◆外国人技能実習生の心を映す 映画「海辺の彼女たち」: 日本経済新聞 (nikkei.com)
政府や自治体は、多様性(diversity)のある日本社会を作ることによって日本をより繫栄させ、かつ国際協力を推進する人材を育成するという正義や大義のために、移民を受け入れる。しかし、政府や自治体が実際にしていることは何か?低賃金で3K仕事をさせる奴隷労働者を確保したいだけの人々や企業の好きにさせているだけだ。
そんな人々や企業を放置している政府(国会議員)や自治体(県会議員や市会議員)の動機を私は疑う。産業界からの政治献金が目当てであって、移民の人権など何も考えていないのではないか。ましてや、移民の母国で醸成される日本への敵対感情が未来の日本に及ぼす危険など想像もしていないのではないか。
ここまでくると、今回の「治験なしのワクチンを認める」というコロナ対策の正義も疑いたくなる。接種者にどんな深刻な副反応が起きても構わないから、ともかくどんなワクチンでも使ってウイルス感染拡大を防ぐという姿勢は、ウイルスに対する果敢な挑戦とは思えない。どこかの外国の薬品会社が開発した「治験なしワクチン」を大量に買えと、どこかから圧力でもあったのかと疑ってしまう。
ついにはネット界にはびこる新型コロナに関する権力者共同謀議論は真実かもしれないと思ってしまう。「パンデミック抑止という大義名分で経済活動強制停止させて経済破綻させ自殺者を増やし、戦争を起こし、不妊剤入りワクチンで不妊症にし、人口削減をすることでコンパクトな人類社会を構築し、全体主義的管理監視社会を完成させるというシナリオが進行中」という噂は、去年からずっとネット言論界の定番だ。