「サイコパス医師」の実例。優秀な部下に嫉妬して…
狂ったサイコパスの医師Qの本性
自らの本性を巧妙に隠し、猜疑心が強く自己中心的な医師Q。精神科医岩波明が、サイコパスの本性を『殺人に至る「病」-精神科医の臨床報告-』(ベスト新書)で分析する。
■サイコパスは精神の奇形
カナダの心理学者ロバート・D・ヘアは、刑務所における受刑者の心理的評価を担当する中で、精神病質を「測定」するチェックリストを作成した。精神病質チェックリストである。そのリストには、以下の項目が含まれている(ロバート・D・ヘア著『診断名サイコパス』早川書房 1995)。
〈感情・対人関係〉
口達者で皮相的
自己中心的で傲慢
良心の呵責や罪悪感の欠如
共感能力の欠如ずるく、ごまかしがうまい
浅い感情
〈社会的異常性〉
衝動的
行動をコントロールすることが苦手
興奮がないとやっていけない
責任感の欠如
幼い頃の問題行動
成人してからの反社会的行動
ヘアは精神病質を次のように描写し、社会のあらゆる場所に精神病質者が潜んでいると主張する。
サイコパスは社会の捕食者であり、生涯を通じて他人を魅惑し、操り、情け容赦なくわが道だけをいき、期待を打ち砕かれた人や、からになった財布をあとに残していく。良心とか他人に対する思いやりに全く欠けている彼らは、罪悪感も後悔の念もなく社会の規範を犯し、人の期待を裏切り、自分勝手にほしいものを取り、好きなようにふるまう。彼らから被害を受けた人たちは、驚きとまどい絶望的な思いで自問する。
- 1
- 2