知性と品位がある自由人マリー・アントワネット
歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第41回 ~マリー・アントワネット~
〇人脈80%(偏財3つ)
「人脈」の星を持つ人は気遣いができるため、人とコミュニケーションをとるのが得意で豊富な人脈を持つ。またお金の星でもあり、多くの財に恵まれる。中でも、「偏財(へんざい)」は、ピンからキリまで幅広い人脈を持つ。お人よしで断りきれず、騙されやすい面も持つ。また、浪費家で手元にあるお金はすぐに使ってしまう。
人脈の星、それも「偏財」を3つも持つアントワネットは、相当なお人よしで気遣いのできるいい人だったのだろう。これまで多くの歴史上の人物を鑑定してきたが、ここまで多く「人脈」の星を持っている人はいなかった。お人よしが過ぎ、人に対して怒れないため、騙された経験も多かったことが予想される。
14歳の時、オーストリアからフランスのルイ・オーギュスト(後のルイ16世)に嫁いだアントワネット。夫は今で言う、オタクに近かったのだろうか。趣味の狩りに没頭する等、ほとんど相手にされず、毎日寂しい思いをしていた。その時、マリー・アントワネットに優しく接してくれたのは、アデライード、ヴィクトワール、ソフィーの3人の叔母だった。若かったこともあるが、アントワネットは相当お人よしな性格だったのだろう。3人の姉妹が吹き込む噂をすっかり真に受け、ルイ15世の公妾・デュ・バリー夫人との対立を深める等、様々な不和が生じた。
お姫様で世間知らずという面もあったのだろうが、オーストリアからやってきたアントワネットに対する風当たりは強かった。雑誌や新聞で次々とゴシップ記事が出され、親友だったフェルセンとの不倫や、ポリニャック夫人との禁断の恋を面白おかしく描かれた。記事を発行した人々は、もちろん王族とは無縁。その全てはただの想像の域に過ぎない。極めつけは、「首飾り事件」だ。現在のお金で数十億円もする首飾りを、アントワネットがロアン枢機卿から発注したとして作られたが、首飾りは忽然と姿を消した。アントワネットは、そもそも首飾りの発注をしておらず、これは自称ラ・モット伯爵夫人が企てた陰謀であった。しかし、ゴシップ好きの国民には絶好のネタ。ウソを並び立てた記事により、人々はロアンやラ・モット伯爵夫人に同情的になり、批判はアントワネットに集まった。このように、全く関与しない事件に巻き込まれたり、国民のゴシップネタの中心になっていったりするのは、アントワネットが騙されやすくお人よしな性格の所以だろうか。
また、「人脈」の星はお金の星でもあるが、「偏財」を3つも持っていたマリー・アントワネットは、お金持ちで、そのお金を使うのも好きだったのだろう。アントワネットが心を許した女性として、ポリニャック夫人が有名だが、ポリニャック夫人は、アントワネットに、当時の賭博、カードゲームを教え、すっかりはまってしまった。大金を賭け、朝まで賭け事に興じたこともあった。そうした娘を心配し、母親のマリア・テレジアは何度も「賭け事はやめなさい」と手紙で忠告している。誘いを断れないという性格ももちろんであるが、賭け事好きの浪費家だったのだろう。
○知性10%(印綬)
「知性」を持っている人は様々な分野の知識が豊富で、論理的に物事を捉えることに長けている。中でも「印綬」は学校の勉強が得意で幅広い知識を持っている。優しい性格で人に何かを教えることも好き。
四柱推命的には、いかにも勉強ができそうなアントワネットだが、子ども時代は音楽や踊りに夢中になっても、相当な勉強嫌いだったらしい。筆跡は拙く、母国語・ドイツ語の文章も間違いだらけだったという。しかし、要領はよかったようで、家庭教師プランダイス伯爵夫人を言いなりにし、課題の答えを丸写しにしていた。フランスのルイ・オーギュスト(後のルイ16世)との結婚話が進むと、語学教育もいよいよ切羽詰まってくる。ヴェルモン神父のもと、1年でフランス語を流暢に話せるようになった。ヴェルモン神父の手紙で「とうとう私は公女のご教育は同時に遊ばせながらでなくてはできないということがわかった」と記している。堅苦しいお勉強は苦手だったのだろうが、家庭教師を次々と手中に収めて自分の思い通りにし、しかもあっという間にフランス語をマスターしてしまうあたり、逆に言うと、アントワネットは頭がよかったのだろう。
○自立心10%(比肩)
「自立心」の星は、他人に頼らず自分が信じた道を突き進む強い精神性。中でも、「比肩(ひけん)」は、自立心、独立心旺盛のマイペースタイプ。頑固で束縛を嫌う。一匹狼で負けず嫌いである。
束縛を嫌うアントワネットにとって、朝目覚めてから寝るまで、着替え、化粧、ミサ、食事…生活全てを堅苦しい儀式にのっとって行い、人目にされされる生活はストレスだったのだろう。夜中に抜け出し、プロヴァンス伯やアルトワ伯とヴェルサイユの庭園を走ったりロバに乗ったりして遊んだ。また、お忍びでパリに繰り出し、夜通し、劇場や賭博場、舞踏会で過ごすようになった。マリア・テレジアはその行動を戒める手紙を送っているが、頑固な性格のアントワネット。ほとんど耳を傾けなかったのだろう。
続いて、十二運星を見ていく。