「逆境には2種類ある」前田裕二の価値観を揺さぶったインドでの体験
SHOWROOM創業者・前田裕二さんインタビュー②
ライブ配信サービス「SHOWROOM」創業者・前田裕二さん。立ち上げのきっかけとなった原体験、そして「SHOWROOM」のこれからについて聞いた。証券マン時代を語っていただいた、第1回に続く、連続インタビュー第2回。
■自分の原体験と価値観をフルに投影した「SHOWROOM」
「努力がフェアに報われる社会を作る」ことを企業理念に掲げ、邁進している「SHOWROOM」。同サービスは、誰でも無料でライブ配信や視聴ができる、ライブ配信プラットフォーム。AKB48などの人気アイドルや声優などのパフォーマーが、自身の特技や個性を披露し、視聴者はパフォーマンスの対価として「ギフト」を送ることができる双方向のサービスだ。
唯一無二のサービス誕生には、前田さん自身のさまざまな経験に基づいている。
「僕が『SHOWROOM』のギフトシステムに自信を持っている理由の一つが、路上での弾き語り体験です。小学生のときにギターで弾き語りをして、お客さんに喜んでもらった経験、そしてその対価としてお金をもらっていた経験が、原点になっています」
前田さん本人も「自分の過去を振り返って『僕は不幸な人間だ』と思っていました」と語るように、8歳で最愛の母を失い、10歳離れた兄と親戚の家に引き取られた。親戚の家庭に馴染むことができず、自らの力でお金を稼ごうと路上でギターを弾き、半年以上、家がない状態も経験。
そのすべての経験が血肉となり、ビジネスに生きているという。そして「努力がフェアに報われる社会を作る」という同社の企業理念には、ある過去の経験が影響を与えているという。