方言の伝わりづらさに地元民が「いじやける」
標準語では表現が適切にできない方言もある
■「むっつい」!?
こうした標準語では表しにくい方言はほかにもある。青森の「むっつい」という言葉だ。パサパサしたものなどを食べたとき、口の中の水分が奪われる感覚を指すという。意味を説明をすることはできるものの、やはりこれに対する標準語が見当たらない。
今回はたまたま身近な方言をフォーカスしたが、これだけでも方言はじつにさまざまな表現を持っていることがわかる。対応する標準語がないならば、むしろこうした方言を標準語として取り入れた方がわかりやすいと言ったら言い過ぎか。
お国訛りは恥ずかしいという意識があり、上京後に言葉を矯正したという話はよく聞く。しかし、イントネーションだけでなく、こうした豊かな表現を失ってしまうことは残念だ。利便性を考えれば標準語を使うことがベターだが、地元を離れても方言の良さは忘れないようにしたい。方言と標準語のどちらも操れる"バイリンガル"と考えれば、恥ずかしいという意識が薄れるのではないだろうか。
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