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日本の中間管理職はギリギリの状態だ

なぜ、心が折れる職場になってしまうのか?(前編)

現場感のない上司の気まぐれ、思いつきに振り回される、部下も頼れない。さらにセクハラやパワハラ対策にも神経をすり減らさなければならない。『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(弊社刊)の著者、前川孝雄氏が日本の中間管理職の危機を説く。

■中間管理職の9割は、プレイングマネジャー

 『日本の人事部 人事白書 2014』(アイ・キュー)では、中間管理職の驚くべき現状が明らかになっています。中間管理職へのアンケート調査によると、中間管理職のうち、本来の業務である「マネジャー業務に注力している」という人はわずか1・6%に過ぎず、「どちらかというとマネジャー業務に注力している」人を合わせても13・8%しかいないのです。

 

 一方で、「マネジャー業務とプレーヤー業務を同じくらいの割合で行っている」人が26・3%、「どちらかというとプレーヤー業務に注力している」人は50・9%、「プレーヤー業務に注力している」人も9・0%います。つまり、約9割の中間管理職は、マネジャー業務に加えて現場仕事にも時間と労力を割かなければならない「プレイングマネジャー」というわけです。

 現場仕事を担当するプレイングマネジャーには当然、個人ノルマも課せられます。短期業績の達成を会社から求められるかたわら、さまざまなプロジェクトや会議にも駆り出され、さらに部内の手続き的な業務にも追われています。日々の業務をこなすのに手一杯で、「部下育成やチームづくりが重要だというのはわかるけれど、現実的にはそんな余裕もない」とマネジャー業務を置き去りにせざるを得ない中間管理職が多いのが実情なのです。

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前川 孝雄

まえかわ たかお

(株)FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師

紀伊國屋書店 新宿本店、紀伊國屋書店 梅田本店、

丸善 丸の内本店、文教堂書店 浜松町店 

1位

「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベスト新書)

大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒。リクルートを経て、2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業。「上司力研修」「育成風土を創る社内報」「人を活かす経営者ゼミ」などを手掛け、約300社で人が育つ現場づくりを支援。自らも年間100本超の講演、TV番組、雑誌に出演。YAHOO! 「前川孝雄の人が育つ会社研究室」など連載も数多く持つ。


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  • 前川 孝雄
  • 2016.08.09