海外で「ジャパン・プレミアム」にお金を払う日本人の摩訶不思議
ここがヘンだよ、日本のサラリーマン④:外国の日系企業で働く、日本人駐在員サラリーマンの場合
自分のヘンなところというものは、誰かから指摘されて初めて気づくものである。日本人サラリーマン社会のど真ん中で生きる人の語りから始まり、日本で働く外国人サラリーマンや、外国で働く日本人サラリーマンらの視点を通して、日本のサラリーマンの「ここがヘンだよ」を解いていく。英国在住ジャーナリストの竹鼻智氏がつづる。シリーズ第4回で話を聞いたのは、外国の日系企業で働く、現地採用サラリーマン。
■アメリカの悪口ばかり言っている駐在員
大学時代に、一年間ニュージーランドへ留学する機会を得て英語を習得し、その語学力からニューヨークにある運輸系日本企業の米国支社へ駐在員として派遣された、野村さん(仮名。30代女性)。「英語はノリで話す」という大阪出身らしい明るい性格で、バスケットボールの腕前は、学生時代に国体に出場したほど。駐在先では、取引先は主に日本企業ながら、国際都市ニューヨークだけに、同僚はアメリカ人だけではなく、多くの国の出身者がいるという。そんな環境で日々働く野村さんに、日本のサラリーマンのヘンなところについて、語って貰った。
「私は日本企業を相手にした営業の仕事をしているのですが、とにかくこっちの駐在員には、ガイジンの文句を言う人が多いですね。ガイジン、と言っていますが、アメリカにいるんだから我々日本人がガイジンなんですけどね。日本が恋しいのか、やたらとアメリカの悪い点ばかりを口にする人をよく見かけますが、こういう人に限って、日本に帰ったら、ニューヨーク帰りだとか言って気取ったりするのでしょうね」
早速痛烈なコメントを述べる、野村さん。営業として日本企業の駐在員である顧客を相手にする仕事をしているだけあって、仕事上の悩みも尽きない。バブル時代にピークを迎えた日本企業の海外駐在員の数は、近年、更に減少傾向にあるという。駐在員手当などの経費節減の為、それまで日本人が担当していた営業のポストが、駐在員の帰国後に伴い、現地社員に引き継がれるケースもよくある。
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