ドイツの鉄道会社と姉妹協定を結んだ湘南モノレールの小さな旅
風情や歴史を感じさせる列車旅
■湘南の海とトンネルと穴場スポット
湘南深沢駅を出ると、右に側線が枝分かれしている。お店の屋根上をかすめていくのが興味深い。モノレールの車両基地へと続いているのだ。
再び勾配をぐんぐん上り、次第に山深くなってトンネルに入る。線路はなく、架線の代わりに車両がぶら下がる軌道がトンネルの屋根近くにあるのが面白い。結構長いトンネルである。山間部を抜けると、谷あいに道路や住宅地が広がる。丘陵の上の高級住宅街が目に入ると西鎌倉駅に到着する。このあたりは「裏鎌倉」と呼ばれて密かに人気を集めている。知る人ぞ知る穴場スポットが点在しているのだ。
西鎌倉駅からは再び上り勾配である。道路のはるか上を走り、片瀬山駅に停車した後は、高台になっているせいか地表すれすれのところを走っていく。まるで離陸する飛行機のように高度を上げ、道路のかなり上を走るようになると目白山下駅に着く。駅到着前には、左手かなたに湘南の海らしきものが陽光に輝いて見える。海であることを確認するために降りてホームから眺めると確かに海だ。
次の列車まで7分程ホームにとどまっていると、人はいなくなり、山間部にあるローカル色たっぷりの駅の雰囲気を体感できた。最後の列車交換駅で、先にぽっかりと口を開けて待ちかまえているトンネルから大船駅行きのモノレールが到着すると、ほぼ同時に湘南江の島行きがやってくる。乗りこむとすぐにトンネルへ。車両の下に線路が敷かれていないので、試乗会で体験したリニアモーターカーみたいにも思える。といってもそれほどスピードを出さないのでリニアとは全く異なる雰囲気でのんびりしている。