エリートと労働者層が混在。「母国」で語られた日本ラグビーの特異点
ラグビーW杯日本大会開幕まで1年を切った。ロンドンで行われた講演会より。
■日本人のラグビーに対する意識
現在の日本社会におけるラグビーの位置付けとして、1.ラグビーなど知らないし、一切興味のない人、2.ラグビーは一応知っているが、特に興味もない人、3.ラグビーにそれなりに興味のある人、4.ラグビーを愛してやまない人、の四つに分けることができ、それぞれのパーセンテージは、14パーセント、65パーセント、17パーセント、4パーセント、という面白いデータも紹介された。
筆者自身がこの4パーセントに入る日本人なのだが、この日の講演会で壇上に上がった講師たちの国籍が、英国とニュージーランドだけであったとは思えない程に、日本のラグビー界を的確に分析した講演会であった。大学ラグビー文化と、トップリーグの企業スポーツとしての意義にも触れた。ここ数年で増えてきているプロ契約選手の是非については、筆者自身も考えさせられる点があった。
会場を訪れていた、元リコー・ブラックラムズのトップリーガー、池上真介さん(現在は、リコーの駐在員として英国支社勤務)にこの点について聞くと、次のように答えてくれた。
「チーム内でのプロ契約選手とサラリーマン選手の割合や、それぞれのその後の人生というものは、今後トップリーグ、更には日本代表にも大きく関わってくるテーマだと思います。私自身、元サラリーマントップリーガーとして、興味深く見守っていくと思います」