【チリツモ多重債務激増】コロナ禍の巣ごもり消費の功罪——簡単便利なスマホのキャリア決済で脅かされる「収入減」の暮らし
■ではどうするか? あえて「たかが借金」と考えてみる
この「チリツモ多重債務者」に対して対策として、何ができるのか。
「当たり前のことですが、支出を減らすことは言うまでもありません。収入に見合った生活の立て直しが第一です。しかし、それでも日々の暮らしを圧迫するようであれば、債務整理を行うことも選択肢に入れてはよいのでしょうか。任意整理、自己破産もその手続きのなかには入りますが、法律の範囲で保障される『人生やり直し』の権利を行使することも選択できる事実に気づいていただきたいのです。決して自分を追い込んではいけません。あえて『たかが借金ではないか』と開き直る気持ちも大事です。ましてや現在、多くの犠牲を払いながら生活している私たちですから、逆に法律に基づき客観的に『いまこそ、できること』を淡々とこなしていくことが求められているのかもしれません」(杉山氏)
【杉山先生の補足:債務整理と自己破産】 ◆債務整理は1つではなく大きく分けて以下の3種類 ① 任意整理:毎月の返済額を減らす方への手続き ② 自己破産:住宅・車など財産処分してでも借金を0にしたい方への手続き ③ 個人再生:住宅を手放したくないが借金を大幅に減額したい方への手続き ◆「自己破産」のメリット・デメリット 【メリット】 ①借金(債務)の支払い義務の免除 ②手続き後は、給与差し押さえなど債権者からの強制執行ができなくなる ③手続き後は、すべて自分で財産管理ができる 【デメリット】 ①一定の財産が処分される ②一定の職業(士業・企業の役員)に就けなくなる ③認められないことがある(免責不許可事由) ④「官報(国家=政府の機関紙)」に住所・氏名が掲載 ——(司法書士法人杉山司法事務所のHPを参考に編集部作成)
多重債務の恐怖とは、有利子負債、1日ごとに金利がかさみ、いつまでも元本が減らない状態のことである。この負のルーティンをいち早く止めるために、いま、できる債務整理の街場の法律相談を薦めたい。人生のやり直しは、早ければ早いほど、よいからだ。【了】
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