サッカーW杯で乱入騒動も。プーチン政権に声を上げる者の正体
ほんとうのロシアとモスクワ③
■ロシア国防相への「ペニス・プロテスト」
サンクトペテルブルクにあるロシア国防相の目の前には、夕刻になると上がる「跳ね橋」がある。この街のロシア政府のやり方に異議を唱える「活動家」たちは、何とも秀逸な抗議メッセージを、世界に発することに成功した。その手法は、この跳ね橋が上がる直前に橋に侵入し、ペニスの絵を橋に書くというものだった。活動家たちはギリギリのタイミングでこの絵を完成させ、定刻通りに跳ね上がった橋は、ロシア国防相に向かって勃起したペニスを掲げた。この芸術的ペニスに共感を覚えた人は数多く、この活動家たちは、ロシアのある芸術団体から、1万5千米ドルの賞金を授与されている。
このペニス・プロテストに触発されたのか、これまたサンクトペテルブルクで、貧富の格差に抗議する活動が行われた。その抗議活動とは、貧しい家庭の母親が、近所のスーパーマーケットに行き、鶏肉を自分の膣にブチ込むという、壮絶な抗議だった。「私は自分の子供に満足な栄養を与えることも出来ない」というメッセージを伝える為だったらしい。日本人的な感覚としては、何でそんな事をするのか理解に苦しむ。欧米人的な感覚としても、全く理解不能だ。アジア人にも、欧米人にも理解できない、極端なスラブ文化とはこういうものなのだろうか。
しかしながら、サンクトペテルブルク郊外にあるスーパーマーケットでプーチン政権に異議を唱える「小者」など、ロシア政府は相手にしない。だが、プーチン政権に異議を唱える「大物」には、容赦はない。