サッカーW杯で乱入騒動も。プーチン政権に声を上げる者の正体 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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サッカーW杯で乱入騒動も。プーチン政権に声を上げる者の正体

ほんとうのロシアとモスクワ③

■ロシア国防相への「ペニス・プロテスト」

 サンクトペテルブルクにあるロシア国防相の目の前には、夕刻になると上がる「跳ね橋」がある。この街のロシア政府のやり方に異議を唱える「活動家」たちは、何とも秀逸な抗議メッセージを、世界に発することに成功した。その手法は、この跳ね橋が上がる直前に橋に侵入し、ペニスの絵を橋に書くというものだった。活動家たちはギリギリのタイミングでこの絵を完成させ、定刻通りに跳ね上がった橋は、ロシア国防相に向かって勃起したペニスを掲げた。この芸術的ペニスに共感を覚えた人は数多く、この活動家たちは、ロシアのある芸術団体から、1万5千米ドルの賞金を授与されている。

 このペニス・プロテストに触発されたのか、これまたサンクトペテルブルクで、貧富の格差に抗議する活動が行われた。その抗議活動とは、貧しい家庭の母親が、近所のスーパーマーケットに行き、鶏肉を自分の膣にブチ込むという、壮絶な抗議だった。「私は自分の子供に満足な栄養を与えることも出来ない」というメッセージを伝える為だったらしい。日本人的な感覚としては、何でそんな事をするのか理解に苦しむ。欧米人的な感覚としても、全く理解不能だ。アジア人にも、欧米人にも理解できない、極端なスラブ文化とはこういうものなのだろうか。

 しかしながら、サンクトペテルブルク郊外にあるスーパーマーケットでプーチン政権に異議を唱える「小者」など、ロシア政府は相手にしない。だが、プーチン政権に異議を唱える「大物」には、容赦はない。

次のページ思わず背筋が凍る、その後の結末…

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竹鼻 智

たけはな さとし

1975年東京都生まれ。明治大学経営学部卒、Nyenrode Business Universiteit(オランダ)経営学修士。2006年より英国ロンドンに在住。ITコンサルタントとジャーナリストのフリーランス二足の草鞋を履きながら活動し、「ラグビーマガジン」(ベースボールマガジン社)、「Number」(文藝春秋)、「週刊エコノミスト」(毎日新聞社)へのコラム執筆など、現地からの情報を日本へ向けて発信。BEST T!MESでは、イングランド代表HC、エディー・ジョーンズ氏の連載「プレッシャーの力」の構成を担当。


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