ネーミングに納得!「万葉まほろば線」で奈良へ
歴史感じる駅めぐり
■万葉まほろば線で奈良へ
近鉄の大和高田駅から歩いて数分でJRの高田駅にたどり着いた。ここから私にとっては初めての乗車となるJR桜井線で奈良駅へ向かう。名古屋からやってきたので、一旦、近鉄大阪線に沿うように桜井駅まで戻るルートになる。JR桜井線の列車本数は1時間に1本程度で、10分程待てば急行や各駅停車がやってくる近鉄とは比べ物にならない。それゆえ、このエリアは初めてではないものの、これまでJR桜井線に乗ったことがなかったのだ。
閑散とした高田駅のホームで電車を待つ。ホームの片隅には跨線橋の柱が、ぽつんと記念物として残っていた。明治24(1891)年製とのことで、この駅の古さが分かる。なお、明治24年に開通したのは、王寺~高田間であって、これから乗る高田~桜井間が開通したのは、その2年後の明治26年のことだった。
しばらくすると、和歌山線経由で和歌山からやってきた奈良行き電車が到着した。2両編成でオールロングシート。予想通りだが、がっかり車両だ。それでも、空いていたので斜め座りして車窓を楽しむ事が出来そうだ。
高田駅で20分近く停車した後、進行方向を逆にして発車する。和歌山方面の線路と分かれて左へ進む。いよいよ桜井線の旅が始まった。駅の表示には桜井線という表記よりも「万葉まほろば線」という愛称の方を大きく取り上げている。近年、妙な愛称が目立つけれど、「万葉まほろば線」という愛称は沿線の雰囲気をよく表わしていて納得できるし、しっくりくる名称だ。
単線の線路が大和盆地の南を東に向かって延びている。溜池の脇を走り、近鉄橿原線の複線の線路をまたぐと、畝傍(うねび)駅に到着。かつては、橿原神宮や神武天皇陵を訪問する皇族の利用があったため駅舎内に貴賓室もある格式ある駅なのだが、近鉄橿原線の方が近くて便利だし、クルマの利用も多くなったため、貴賓室はふだんは閉鎖され、すっかり忘れ去られた駅となってしまった。