黒猫の悲惨な扱いに涙…「SNS映えしない」「縁起が悪い」
ヨーロッパでは疎まれてきた。対する日本では?
■逆に日本ではポジティブなイメージ
日本ではどうだろうか。西洋文化の流入により、不吉な存在だといわれることもあるが、昔から魔除けや厄除けなどの象徴として親しまれてきた。現在でも黒猫をモチーフとしたキャラクターの人気は健在であることから、かわいらしい存在として認識されているといえるだろう。
スタジオジブリ制作のアニメ映画『魔女の宅急便』には、主人公・キキの相棒として「ジジ」という名の黒猫が登場する。公開から約30年経ったいまでも、ぬいぐるみやチャーム、ポーチなど、さまざまなグッズが販売されているほどの人気ぶりだ。
企業のキャラクターに採用された黒猫といえば、運送会社のヤマト運輸が代表格といえるだろう。親猫が子猫を加えた姿は約60年にもわたって愛されている。この図案は、当時の業務提携債である、米国企業のマークにヒントを得たとされる。
ほかにも、黒猫をモチーフとしたキャラクターは多数ある。その中で、何度も目にしているはずなのに、見落としてしまっているキャラクターの存在をご存じだろうか。それは、明星食品のロングセラー商品「チャルメラ」のパッケージに隠されているのだ。
チャルメラといえば、屋台を引くおじさんの姿が印象的ではないだろうか。じつはそのそばには黒猫が描かれているのだ。1966年に発売された当初から登場しているというから驚きだ。この黒猫はおじさんのペットというわけではなく、屋台が到着すると現れる存在なのだとか。
中世では縁起が悪いと迫害され、現代ではSNS映えしないからと飼育放棄されてしまう。人間の都合で翻弄される黒猫たちが不憫でならないが、日本では昔も今も愛され続ける存在。おとなしくて甘えん坊な性格といわれることもあり、コンパニオンアニマルとしてぴったりといえよう。毛色など関係なく、かわいがっていきたいものだ。
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