大正、昭和の「即位の礼」「大嘗祭」の実際
即位の前に知っておきたい、新天皇の「お仕事」①
■すでに年号の改元が進められていた!?
つまり、従来の「祖宗の神器を承く」ことも「元号を建つ」ことも「大嘗祭は京都に於いてこれを行ふ」ことも、明文化されていないのです。しかし、いずれも「即位の礼」と不離一体の皇位継承儀礼であることは変わりません。
現在の天皇の時は、昭和天皇の御闘病中から、ひそかに検討して準備が進められていました(年号の改元については、すでに10年前の昭和54年7月「元号法」を制定し、内々準備が行われていました)。
その結果、昭和64年1月7日朝、昭和天皇が崩御された直後、午前10時半から宮殿の正殿「松の間」において皇太子明仁親王が「剣璽等承継の儀」に臨まれ、新天皇となられました。
また、当時の政府(竹下内閣)では、同日正午前後、あらかじめ用意した複数の新元号案を、国民代表の衆参両院正副議長と有識者数名に諮り、異義なく賛同を得てから臨時閣議を開き、そこで新元号を「平成」と決定し、今上陛下に奏上して「政令」公布の手続きを行うと同時に、小渕官房長官が相官邸から新元号を公表しました。
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