日本のビジネスマンは「数字」に弱すぎる。外食産業で大儲けした男の指摘
あらゆるチャンスに数字をもちだして、これを活用せよ
■数字で未来を読める人間は強い
人生は有限である。それはどう否定しようとしても否定できない真実である。
ところが、人生は有限である、という発想が日本人には稀薄である。外国人にはある。たとえば、アメリカ人は60歳になると第一線をしりぞいて、働こうとはしない。
フロリダあたりへいって、魚釣りとゴルフをして余生を楽しむ。残り少ない人生を精一杯楽しむのだ。
それにくらべると、日本人は、今日が永遠につづく、と思っているところがある。だから、年をとっても、死ぬまで働いて、人生を楽しむことを知らない。私は、60歳になったら、第一線をしりぞいて、やりたいことをやって人生を楽しみたい、と考えている。
日本人も数字に強くなったら、人生は有限である、ということがわかってくると思う。そうすれば、もっと、別の生き方というものがでてくるはずだ。
日本の定年制度を見ていると、定年になったら、関連企業が雇って救済してくれる仕組みになっている。
これなども、無限に人生がつづく、と錯覚している証拠である。だから定年退職しても、関連会社で死ぬまで働くつもりである。
日本は人口が多いし、定年退職しても働かなければ食っていけない、という一面があることは否定しないが、「定年でもって働く人生は終わり。あとは楽しむ人生だ」と考えるのが本当であると思う。
手前ミソないい方をすれば、私は14年前に、将来、日本マクドナルドは売り上げ1000億円の企業になる、といったらマスコミは嘲笑した。
「マクドナルドは3日でつぶれる」
「いや、1週間でつぶれる」
「藤田さん、あなた、頭のチェックに病院にいったほうがいい。米とウドンを売らないで、ハンバーガーで1000億円売って日本一の外食産業だなんて、そんなことはありえない」
もう、さんざんに笑われ、メチャクチャにいわれた。こっちは数字をあげていっているのだが、耳をかそうとしない。
1昨年は846億円の売り上げをあげて、ついに外食産業の日本一になった。
そこで、マスコミの皆さんに、「来年は1000億円を売りますから」といった。
ところが、皆さん、シーンとしてなにもいわない。昔は、ワーッと笑った人たちが、たぶん本当だろう、という顔をしている。
私は、「どうか笑ってください」といった。笑われると、やったるぞ、という気になる。しかし、本当だろうな、という顔をされると、かえってやる気がなくなってしまう。
だから、いい加減にここらでやめようか、というのだ。もっとも、それは冗談だが。
私は数字をはじいて、絶対にいけるという自信と確信をもったからこそ、そういったまでなのである。