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【2025年1月住宅ローン金利】国内に潜む潜在的な金利上昇圧力と、注視すべきはトランプ次期大統領の経済政策の行く末

~変動金利と固定金利の動向を分析~

マンションリサーチ株式会社(東京都千代田区神田美土代町5-2)はホームローンドクター株式会社(東京都中央区八丁堀2-19-6)代表取締役 淡河範明(おごう のりあき)氏への聞き取り調査により、住宅ローン金利の推移を予測しました。

グラフ1:DH住宅ローン指数の推移

出典:ホームローンドクター(株)


【変動金利】
2025年1月は「金利のある世界」に復帰してから初めての年始となりました。多くの銀行は様子見に転じ、変動金利を変更する金融機関がほとんどありませんでした。
日銀の植田総裁は12月末の金融政策決定会合の会見で、利上げは見送られましたが、経済・物価・賃金が予想通りに推移していて、再利上げの時期が近付いているとの見通しを述べました。今後は、トランプ次期大統領の経済政策の行く末をにらみながらの金利調整となるでしょう。

【10年固定金利】
2024年12月の国内の債券金利は、予想されていた利上げが見送られるとの見方が広がったり、米国の利下げのペースダウンが予想されると金利が再び上昇傾向となったりしたことから、10年国債金利は、細かい上下動となりました。
ドル円が150円台であれば、為替介入も国内の利上げ圧力もないと予想し、当面は日銀の再利上げがトピックスになると考えています。また植田総裁が「可能な限りゼロ金利制約に直面しないように金融政策を運営することが望ましい」としていることから、金利上昇圧力が潜在的に存在していると考えられます。

【全期間固定金利】
日本の景気は上向きであるという前提であり、超長期の金利も上昇が始まったことから、住宅ローン金利も上値をおっていく展開になると予想しています。

本まとめの詳細は以下よりご覧いただけます。
すみかうるURL
https://t23m-navi.jp/magazine/housingloan/housingloan-hld2501/

【変動金利の現況】
2025年1月は「金利のある世界」に復帰してから初めての年始となりました。多くの銀行は様子見に転じ、変動金利を変更する金融機関がほとんどありませんでした。

グラフ2:DH住宅ローン指数の推移(変動金利)

出典:ホームローンドクター(株)

今月は、DH住宅ローン指数の変動金利は、0.616%と前月の0.614%から上昇しました。1年前は0.488%であったことから、金利上昇は着実にすすんでいると言えるでしょう。

前月は、金利を上げた銀行が4社、下げた銀行は3社でしたが、今月は、下げた銀行が1社と動きがほとんどありませんでした。

12月の利上げ観測が外れ、利上げは来年以降に持ち越しとなったことで、金利の動きはひとまず止まったようです。しかし、日銀の植田総裁は、追加利上げの可能性について言及していることから、変動金利上昇は、十分起こり得ます。

【変動金利の今後の動向】
日銀の植田総裁は12月末の金融政策決定会合の会見で、利上げは見送られましたが、経済・物価・賃金が予想通りに推移していて、再利上げの時期が近付いているとの見通しを述べました。ただし、国内の賃金動向、米国経済の先行き等を慎重に見ながら、拙速な利上げは避けるとの考えも示されました。今後は、トランプ次期大統領の経済政策の行く末をにらみながらの金利調整となるでしょう。


【10年固定金利の現況】
固定金利選択型の内、10年固定を中核に据えている銀行は少なくありません。ただ、10年が最長の固定金利となる銀行はともかく、全期間固定金利を有する銀行は、10年固定の金利設定にそこまで積極的ではなくなってきているようです。

10年固定金利は、日本国債10年物の金利を参考に設定されていると言われています。
2024年12月の国内の債券金利は、予想されていた利上げが見送られるとの見方が広がったり、米国の利下げのペースダウンが予想されると金利が再び上昇傾向となったりしたことから、10年国債金利は、細かい上下動となりました。

グラフ3:DH住宅ローン指数の推移(10年固定金利)

出典:ホームローンドクター(株)

今月は、DH住宅ローン指数の10年固定は1.385%と前月の1.394%から下落した一方、1年前の1.188%よりも上昇しました。

【10年固定金利の今後の動向】
ドル円が150円台であれば、為替介入も国内の利上げ圧力もないと予想し、当面は日銀の再利上げがトピックスになると考えています。前月の予想通り、10年国債の1%オーバーになりましたが、植田総裁が「可能な限りゼロ金利制約に直面しないように金融政策を運営することが望ましい」としていることから、金利上昇圧力が潜在的に存在していると考えます。


【全期間固定金利の現況】
全期間固定金利は、変動金利との相対的な割高感から敬遠されてきました。変動金利の上昇が始まったので、全期間固定金利を検討する人が増えたようですが、変動金利との金利差が大きいことから、いまだ変動金利を選択する人が多数派のようです。変動金利の上昇が本格化すると、全期間固定金利と変動金利のどちらにすべきか判断に迷う人が増えていくでしょう。

全期間固定金利は、日本国債10年物だけでなく超長期国債などの動向も参考に設定されているといわれています。1月は、ほとんどの固定期間の金利が少しだけ上昇したのですが、40年国債は少しだけ下がるという方向観のわかりにくい動きとなりました。

グラフ4:DH住宅ローン指数の推移(変動金利と全期間固定金利)

出典:ホームローンドクター(株)

今月は、DH住宅ローン指数の全期間固定金利は2.111%と前月の2.120%よりも下がりましたが、1年前の1.906%よりも上昇しています。引き続き上昇トレンドにあるとの認識です。

【全期間固定金利の今後の動向】
今後について、全期間固定金利は、10年固定金利と同じポイントが注目されます。日本の景気は上向きであるという前提であり、超長期の金利も上昇が始まったことから、住宅ローン金利も上値をおっていく展開になると予想しています。特に、トランプ新政権下の経済政策が与える影響が注目点となるでしょう。

調査リリース担当者プロフィール


福嶋 真司(ふくしましんじ)
マンションリサーチ株式会社
データ事業開発室 
不動産データ分析責任者

福嶋総研 
代表研究員



早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、
建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。また大手メディア・学術機関等にもデータ及び分析結果を提供する。

福嶋総研発信リンク集
https://lit.link/fukushimasouken

不動産オウンドメディア『すみかうる』福嶋執筆記事
https://t23m-navi.jp/magazine/author/fukushima/

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【マンションリサーチ株式会社について】
マンションリサーチ株式会社では、 不動産売却一括査定サイトを運営しており、 2011年創業以来「日本全国の中古マンションをほぼ網羅した14万棟のマンションデータ」「約3億件の不動産売出事例データ」及び「不動産売却を志向するユーザー属性の分析データ」の収集してまいりました。 当社ではこれらのデータを基に集客支援・業務効率化支援及び不動産関連データ販売等を行っております。

会社名: マンションリサーチ株式会社
代表取締役社長: 山田力
所在地: 東京都千代田区神田美土代町5-2 第2日成ビル5階
設立年月日: 2011年4月
資本金 : 1億円
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