対話不能! 女心が分からなマックス! 愛を知らぬ恋愛相談【たらい回し人生相談】
【たらい回し人生相談】〜ヤバいやつがもっとヤバいやつに訊く〜 連載第11回
さて当連載もシーズン2に入った。筆者は当連載の第1回において、この連載のメインパーソナリティであるところの大司教について「愛を知らない男」と書いた。すると大司教はこう反論した。
「いや愛ぐらい知ってますよ。カードキャプターさくらの大道寺知世と神しか愛していないだけです」
と、だいたいそんなようなことを言った。このエピソードだけで、大司教が恋愛相談に向いている相手か判断するのは十分だろう。もちろん。向いていない。
しかし、今回は恋愛相談である。相談相手のHさんという女性は編集部にて大司教と会談し、自身の「結婚したいが理想の男性がいない」という悩みをいかに解決すべきか話し合った。しかし、なんだ、あれだ。とにかく話がかみ合わないことかみ合わないこと。記事にするのが難しいレベルである。
なので今回は素材そのままでお届けする。ここまでミスマッチなのも珍しいので、逆に「不調和の美」がある気がしてきたからだ。きみはこのまったくかみ合わない会話から愛とは何かを逆に考えてもいいし、考えなくてもいい。
【登場人物】
Hさん:恋愛体質の女性、理想の男性を求めて現代社会の荒野をさまよう女。
大司教:恋愛体質ではなく女性でもない。
Nくん:就活中の放火魔(過去記事参照)の若者。別に相談に必要ではないがヒマだから来たらしい。つまり完全な飛び入りである。ちなみに当連載の告知欄で就職先を募集したところまったく応募がなかったとのこと。
■初手から混線する対談:
筆者:えー。今回また何も知らされてないんですが(注1)なんの相談なんですか……?
Hさん:結婚したいけど結婚できなくて困ってるんです。理想の男性がいなくて……。
大司教:だそうです。とりあえずアイスブレイクとして紹介しますと、Hさんはあの某国で日本語教師をやろうとした人(過去記事参照)を現地でサポートしていたという関係があります。
Nくん:あー、それは大変でしたね。
ここで話題にNくんが乱入。Aさんにマウンティングされたエピソードや、彼が子供や年下にいかに強気かという話をおもしろおかしく語ってアイスをブレイクする。
さらに話題は恋愛ゲームに移る。「アマガミ(注2)」という恋愛ゲームが大好きな彼は熱っぽくアマガミを語るのだった。さらにそこから「ときめきメモリアル(注3)」の話題になる。この時点でもうHさんの相談内容はそっちのけだ。
大司教:(ときメモについて)あれってなんのシミュレーションなんだろうね。恋愛のゲームではないよねあれ。謎のリソース管理というか……。政治に近いよね。
筆者はときメモをプレイしたことがないのでこの発言の評価はできない。
とはいえ、この時点でHさんと大司教の間で何か重大なズレがあることだけは確かに感じられた。冒頭でも触れたが、とにかく二人は見ている世界が違いすぎて会話がかみ合わない。対談の端々でしきりに「わかんない」という言葉が発せられる。
大司教:まず恋愛がなんなのか私にはわかりません。恋愛とはどういうものなのか私に説明してもらえませんか。自分からすると、悩むなら恋愛しなきゃいいじゃんって思う。同じように仕事が嫌ならやめればいいし、家庭が嫌なら捨てればいい。
Hさん:恋愛がわからない……?
大司教:いちおう、事前に勉強しようと思って、知人の女性たちに「恋愛とはなんですか?」と質問したんです。そうしたら「大司教も恋愛とか興味あるんですねー」とかみんなに笑われたりして、不愉快でしたね。無機物っぽいとか言われたり。そのうえみんなが恋愛について言うこともまったく理解できませんでした。
Hさん:はあ……。
大司教:私がされた中で唯一、理解可能だった説明は「その相手のことで頭がいっぱいになる」というものでした。
Hさん:恋愛感情を抱いたことがないんですか。
大司教:実在の人物に対しては抱かないです。大道寺知世には本当に恋愛感情を抱いてましたけどね。だから恋愛ぐらいわかる。
Hさん:あーなるほど。
大司教:いや、知世ちゃんと声優の岩男潤子さんがいなかったら連続殺人鬼になっていたとしか思えない知人が複数いますから、本当にこれは大事な話なんですよ……。
■仕切り直し、そして悪質(※大司教評)インカレサークルとは?:
筆者:あー、まったくなんの話か分からなくなったので、いったん仕切り直しをしましょう。そもそもなんでこの対談が? なぜ大司教に恋愛相談をしようと?
大司教:とりあえず私の方からすると、中田先生から「何とかしてやれ」と投げ込まれたのが今回の人生相談なんですが、正直なにをすればいいのかわかりません。わからないのでそのまま対談に持ち込んで筆者さんに記事にしてもらおうかなという計画で。
筆者:無計画っていいますよねそれ。
大司教:自分からすると「恋愛ってあれでしょ、漫画のやつ」ぐらいの感覚なので、まあわりと面白いですけどね。古典にもよく出てくるし。
Hさん:というか……私みたいなふつうの人で記事になるんですかね。
大司教:だいたいここに来る人は自分が普通だと言いますがぜんぜん普通ではない場合が全部です。Hさんは京都の悪いサークルに属していてそこの猛者だったと聞いていますが……まあその時点で普通ではないですね。
Hさん:そうかなあ。
大司教:そのサークルは何をする団体なんです?
Hさん:京大にあるインカレサークルです。何をするかっていうと読書会だったり、悩み相談会だったり、非モテのために服を選んだりとか。いや、わたしも二回ぐらいしか行ってないんですよ。わたしの好みの強そうな男はいなくて……。
大司教:つまりサークルに男を漁りに行ったら弱い男だらけだったから興味を失ったと。
Hさん:まあそういうところはあるかもしれないです。
大司教:あるのかよ。
Hさん:弱い男の集まりだったんで興味なくて。
大司教:その後は……。
Hさん:○○。○○という人がやってるシェアハウスに住んでましたね。初めのうちは六畳部屋に二人とかだったんですけど、のちのちは六畳部屋に五人とかで、カップル二組とわたしで寝てたりしました。
筆者:鶏のケージ飼育みたい。
Hさん:学生時代はそんな感じですね。そのあと某国に留学します。留学プログラムの関係で人をたくさん集めると無料みたいになったので、ツイッターで男をたくさん集めてみんなで留学したんですよね。まああんまりロクな面子じゃなかったんですよね。一人冷笑系のねらーみたいなのがいて最悪で……。
話がそれかけた。
ここでN君が口をはさむ。彼は「京大生ってネットで名乗ってる連中は京都出身じゃない連中ばかりでムカつく」とか「京大生って犯罪してるイメージだけど明確に犯罪するグループとしないグループは分かれている」などということを述べて話をさらに別方向に逸らす。
折を見て話を本来の話題に戻す。
大司教:とりあえず結婚したいわけですよね。すればいいじゃないですか。
Hさん:誰でもいいというわけではないです。
大司教:なんで?
Hさん:いや誰でもいいわけないですよ。もちろん結婚して早く狂った恋愛感情とおさらばしたいという気持ちはあるのですが。以前ザ・ノンフィクションの婚活回を見たんですが、婚活アドバイザー?の方が、会員女性がデータベースから結婚候補者を選ぶ際に「相手の顔は見るな、年収と子供希望か否かで見て選んで」といったようなことを言っていました。たぶんそういうことができる人はできるんですけど、私は一生バカみたいに恋愛してきたので、本能がピンとこないとちょっと。
大司教:ああはい。本能について了解です。
Hさん:よかったです。
大司教:ところで違和感があるのは「結婚して…恋愛感情とおさらばしたい」とおっしゃった部分なのですが。何かへんではないでしょうか。
Hさん:ヘンではないと思いますが……わかりません。ただ、高校生の頃に付き合っていた男を放置して浮気をした挙句、その浮気相手の男の性格と性癖が最悪だった…という経験をしたことがあり。それ以降、浮気はいいことないという学びを得たんですね。
大司教:わからない……よくわからない。
Hさん:それでも浮気しそうになる衝動は襲ってきますが、その度にその出来事を思い出して衝動をおさめています。わたしは弱者なので。
大司教:そんなに弱者って感じがしない。
Hさん:ただ飲み会などで男に媚びている女を見るとフン、弱者が…と思わないと言えば嘘になります。
筆者:ええと。まずもうこれまでの時点で会話がかみ合ってないので……。いったん恋愛とは何かをもっとすり合わせてくれませんかね。
編集:えー。とりあえず休憩で……。
(注1)困る。 (注2)恋愛シミュレーションゲームのタイトル。 (注3)恋愛シミュレーションゲームのタイトル。
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Hさんに結婚を申しこみたい方は下記まで
predictionangle@gmail.com