「ビールはおじさんの飲み物」Z世代は今、何のお酒を飲むのか?「無糖チューハイ」の支持ジワジワ
近年、アルコール飲料市場で注目を集めているのが「無糖チューハイ」だ。キリンビールが実施した調査によると、この無糖チューハイの市場シェアは、2020年からわずか4年で約6倍に急成長。特に20代の若年層での人気が顕著となっているという。
調査では、20代の65.5%が「無糖チューハイの飲用機会が増えた」と回答。従来のチューハイとは一線を画す、この無糖タイプの台頭には、現代の若者特有の価値観が反映されているようだ。
世代・トレンド評論家の牛窪恵氏は「近年、若い世代へのインタビューでは『自分の可能性の幅を狭めたくない、あるいは決めたくない』という声が多く聞こえてきます」と指摘する。キリンのPRによれば、無糖チューハイは色々な食事に合わせることができ、「食後」「宅飲み」などシーンを問わないという。つまりその自由度の高さが、若者の価値観にマッチしたということか。
実際、若者のアルコール選択の変化は顕著だ。株式会社RECCOOの調査によれば、大学生の居酒屋での1杯目の注文では、レモンサワーが1位で、2位は「そもそも飲まない」。かつての定番だった生ビールは3位まで後退している。さらに驚くべきことに、現役大学生の約半数が「若者のビール離れ」を実感しているという。
「上に従ってビールを飲む文化がなくなった」」「ビールはおじさんの飲み物」といった声からは、若者たちの価値観の変化が垣間見える。無糖チューハイの人気も、この文脈で理解できそうだ。キリンの調査では、無糖チューハイは食中酒としてビールに次ぐ2位の支持を得ており、2杯目以降の選択でも「ビール」や「ハイボール」を上回る人気を誇る。
今まさに忘年会シーズン。「とりあえず生」で乾杯という光景は、世代間ギャップの象徴になりつつあるのかもしれない。
文:BEST T!MES編集部