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サラリーマンに悲報。切っても切れない「ストレス」と「糖尿病」の関係

糖尿病専門医・牧田善二氏が語る「ストレス」の怖さ

ビジネスマンが心身に不調をきたす原因としてたびたび指摘される「ストレス」。ストレスを受けた人間の体にはどのような悪影響が出るのでしょうか。糖尿病専門医である牧田善二氏の著書『日本人の9割が誤解している糖質制限』より、医学的な観点から問題点を指摘します。

ストレスも糖尿病発症の一因

 ストレスが心身に悪い影響を与えるということは、たいていの人が知っている。しかし、現代社会でストレスを受けずに生きるのは難しい。

 

 重要なのは、いかにそれを「引きずらないか」ということだ。これも、アンチエイジング学会で取り上げられた重要なポイントだ。

 私たちがストレスを感じると、まずアドレナリンというホルモンが分泌される。誰かに不快なことを言われると、一瞬、闘争本能が芽生えるのもアドレナリンによる。しかし、これは一時的なものでさほど問題はない。

 ストレスを長く引きずっていると、アドレナリンに替わってコルチゾールという副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンが出てくる。

 このホルモンが長時間分泌されると、休めずにいる副腎が疲れてくる。それによって免疫力が低下し、いろいろな病気にかかりやすくなる。

 また、寝付きが悪くなる。日中のストレスを引きずり、イライラして眠れないという負のスパイラルに陥る。

 さらには、血糖値を上げ、肥満を呼び込むこともわかっている。ストレスは、糖尿病発症の立派な一因なのだ。

ストレスは腸内環境を悪くする

 長引くストレスは、腸内環境も悪くする。

 ここ数年、腸内環境とさまざまな病気の関係が、次々と明らかになっている。

 私たちの腸の中には、五〇〇種類以上、重さにして一~二キロにも相当する腸内細菌が存在し、それが免疫機能の七割ほどを司っていると言われる。

 腸内細菌には、悪玉菌と善玉菌があり、そのバランスによってあらゆる病気が引き起こされる。当然、善玉菌が多いことが望ましいが、ストレスがかかると、それだけで悪玉菌が増えるのだ。

 さらにストレスは、「リーキーガットシンドローム」を引き起こすこともわかってきた。

 リーキーガットシンドロームになると、本来であれば排出すべき毒素を腸粘膜の小さな穴から体内に取り込んでしまう。それによって引き起こされる、クローン病(全消化管に生じる炎症疾患)、食物アレルギー、リウマチなどのやっかいな病気は、確実にあなたの人生の質を落としてしまう。

「ストレス→腸内環境悪化→さまざまな病気」という図式から遠ざかっていられるよう、嫌なことはなるべく早く忘れよう。

『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)をもとに構成>

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糖尿病専門医。AGE牧田クリニック院長。1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事したあと、米国ロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病合併症の原因であるAGEの研究を約5年間行う。北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を歴任し、2003年に東京・銀座に「AGE牧田クリニック」を開設。これまでにのべ20万人の患者を診ている。著書に「糖尿病はご飯よりステーキを食べなさい」(講談社+α新書)、「人間ドックの9割は間違い」(幻冬舎新書)など多数がある。



 


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  • 牧田 善二
  • 2016.05.10