【難病･魚鱗癬】｢息子が患うこんな病気があるんだ｣と思ってもらえるだけでいい。母は願いを込めブログで発信した
難病を持つ我が子を愛する苦悩と歓び（37）
難病「道化師様魚鱗癬」を患う我が子と若き母の悲しみと苦しみ。「ピエロ」と呼ばれる息子の過酷な病気の事実を出産したばかりの母は、どのように向き合ったのか。『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』の著作を綴った「ピエロの母」が医師から病名を宣告された日、母は我が子の「運命」を感謝しながら「これからの親子の人生を豊かなものにしよう」と新たなる決意をした。
難病の息子の未来、その踏み出す一歩へ、若き母は同じ病気と戦うご家族の会にも参加し、また自ら「病気への理解」を世の中に伝えるべくブログで発信することを決めた。「知らない」ことで生まれる誤解を自らの言葉で解いていく母の強い願いを綴っていただきました。
■会への参加。そして希望！
陽（我が子）が産まれて、もう少しで７か月を迎えようとした頃、私たちはある会に参加した。
同じように魚鱗癬（ぎょりんせん）の症状と日々戦う方々、そして、そのご家族が集まる会。北海道から沖縄まで、年に１度、全国から集まり、交流会を通して情報を交換している。
この会の存在は、まだ私が産後の入院中に、夫が見つけていた。
まだ全てを受け入れられていない私に、夫は、
「母ちゃんは無理に行かんでもいいよ。僕一人でも行ってみるから」
そう言って、会のことを説明し始めた。
陽が産まれてすぐ、夫は先に現実に目を向け、常に前を見て前進しようとしていた。その姿に、私は何度救われただろうか。そして私たちは思い切って、この会に参加した。
聞きたいこと、教えてほしいこと、たくさんありすぎて、どれから質問すれば良いのか、焦るほどだったが、参加されている皆さんに、親身にこと細かく丁寧に教えて頂くことができ、そして年齢層も幅広く、ご本人やそのご家族の方とも、たくさんお話することもでき、本当に得るものが多かった。
さらには、魚鱗癬とともに生き、元気に走り回っているお子さんや、サッカーボールを蹴る少年、結婚されている方、お酒を飲んで談笑している方など、笑顔が溢れている姿を見て、たくさんの希望が生まれた。
そして、その希望をカタチにするためにも、再び、私でもできることは何か、考える夜が続いた。
身体的なケアは、大変だけれど私たちでもできる。
でも、心は? 気持ちは?
心に塗る薬なんてない。だけど、もちろん全力で守る。一緒に突き進むよ。
会の中である言葉を聞いて、頭から離れなかった。
「知られていないからこそ、辛い思いをすることがある」
じゃあ、もし知っていてくれる人がひとりでも増えてくれれば、何か変わるのかもしれない。
「こんな病気もあるんだ」なんて思ってもらえるだけでもいい。
息子は運命に立ち向かい、これからもっと、高い壁を乗り越えなければならない。
でも、この病気について少しでも知っていてくれる方がいれば、
その壁は少しでも低くなるのかもしれない。
息子の踏み出す一歩に、少しでも明るく優しい世界が広がっていてほしい。
そんな思いと願いを込め、私はブログを始めることとなった。
【参考資料】
本書をもとにCBCテレビ『チャント』にて「ピエロと呼ばれた息子」 追跡X～道化師様魚鱗癬との闘い（6月26日17時25分より）が放送されました。https://locipo.jp/creative/41a0b114-7ee7-4f24-976c-e84f30d2b379?list=5a767e90-3ff9-479c-a641-e72e77cf42c3
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【参考文献】
『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』（アメーバブログ）
産まれてすぐピエロと呼ばれた息子（書籍）
ピエロの母
本書で届けるのは「道化師様魚鱗癬(どうけしようぎょりんせん)」という、
50~100万人に1人の難病に立ち向かう、
親と子のありえないような本当の話です。
「少しでも多くの方に、この難病を知っていただきたい」
このような気持ちから母親は、
息子の陽(よう)君が生後6カ月の頃から慣れないブログを始め、
彼が2歳になった今、ブログの内容を一冊にまとめました。
陽君を実際に担当した主治医の証言や、
皮膚科の専門医による「魚鱗癬」についての解説も収録されています。
また出版にあたって、推薦文を乙武洋匡氏など、
障害を持つ方の著名人に執筆してもらいました。
障害の子供を持つ多くのご両親を励ます愛情の詰まった1冊です。
涙を誘う文体が感動を誘います。
ぜひ読んでください。
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産まれてすぐピエロと呼ばれた息子
- 2019.11.09
