僕はいかにして歴戦の「婚活女子」と闘ってきたか【石神賢介】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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僕はいかにして歴戦の「婚活女子」と闘ってきたか【石神賢介】

『57歳で婚活したらすごかった』著者・石神賢介のリアル婚活レポート第5回【最終回】

 

■看護師の秘密

 

 その後しばらくして参加した婚活パーティーでは、ナオミさんという看護師の女性と知り合った。彼女は38歳で1度婚歴がある。

 短い会話のなかでも仕事を頑張っていることが伝わり、好感を持った。彼女も僕に興味を持ってくれて、帰りに食事をした。翌日も翌々日も会った。婚活パーティーには、ときどきこういうミラクルがある。

 しかし、彼女はなぜ僕を選んだのか? パーティーにはナオミさんと同世代の男性参加者もいた。33歳で離婚をして、シングルを25年もこじらせていると、女性が好意を示してくれても素直に信じることができなくなる。

 それでも一緒の時間を重ねれば、関係は深まる。ドライブにも行き、一泊で温泉にも出かけた。彼女がうちに来て掃除をしてくれるようになるまでに2か月もかからなかった。やがて彼女から話したいことがあると言われた。

「私、子どもがいます」

 そう打ち明けられた。高校生の女の子と中学生の男の子と一緒に暮らしているという。

 実は、出会ったころは子どもがいるのではないかとも考えた。30代の女性が50代後半のオヤジに興味を持つのはレアなケースだ。しかし、交際を進めていくうちに、子どもがいるのでは、といった疑念は消えていた。一泊旅行にも出かけていたのだ。

 だから、彼女の告白には驚かされた。

「母親が帰らない日は、子どもたちはどうしているの?」

 率直な質問をした。

「ご飯をつくってから来ているから大丈夫。お姉ちゃんが弟の面倒をみているし」

「子どもたちは母親が帰ってこないことを変だと思わないの?」

「あなたと会っていること、あの子たちは気づいていないよ。夜勤だと言っているし」

 この日から彼女と会うことに後ろめたさを覚えるようになった。彼女は、気にしないで、と言う。しかし、母親のいない家で食事をして就寝する姉弟のことを考えないほどこちらはタフではない。また、本当に申し訳ないのだけれど、母子まるごと引き受けるような覚悟が持てなかった。そういう漢気は、残念ながらない。

 彼女とはもう会わないほうがいいと判断した。

 そしてこの出来事があったころから、僕には結婚は難しいと考え始めた。

 

文:石神賢介

 

 

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石神賢介

いしがみ けんすけ

ライター

婚活ジャーナリスト

1962年生まれ、東京出身。婚活アプリ、婚活パーティー、結婚相談所、婚活バスツアー、座禅婚活など、約30年にわたり、あらゆる婚活にトライ。食事やお茶などをともにした女性は300人を超える。女性にブランド品を買わされても、「ジジイ!」と罵られてもめげず、会社員、女優、モデル、銀座のホステス、ドクターなどと交際。しかし、結婚にいたっていない。著書に『57歳で婚活したら すごかった』『婚活したら すごかった』(以上、新潮新書)、『すべての婚活やってみました』(小学館新書)、『アラフィフ婚活』(飛鳥新社)、『なぜ「スマ婚」はヒットしたのか 誰もが挙式できる世の中に』(幻冬舎)がある。

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