参勤交代が、経済・人・物・文化にかくも影響を与えていた背景
有名中学入試問題で発見する「江戸時代の日本」①海陽中等教育学校
■「大名行列」として考える
この問題では「江戸の(町の)文化」に限定されていますが、参勤交代――というより「参勤交代を中心とする大名行列そのもの」――の果たしていた影響&役割について考えると更に理解は早くなるかと思います。
それには実は、「最後」を見ると非常にわかりやすい。
あまりにも効果てきめんというか、如実すぎやしません? という感じですから。
ここでは私は参勤交代の言葉に限定せず、「大名行列」と書きます。
参勤交代=大名行列ですが、大名行列=参勤交代ではないからです。
時代劇などのイメージでそんな感じがしますが、実際には毎日のように江戸の町を大名行列は行き来していますので、隔年の参勤交代とだけ結びつけることはできません。日々の大名行列の大移動バージョンが参勤交代、というだけです。
ではそれ如何なることに候や?
さて、この参勤交代は最後どうなったでしょうか。
勿論、明治維新によって消えたわけですが、ある日突如スパッ!と「はい、明日から参勤交代は厳禁です!」となったのではなく、「幕末に参勤の間隔が空くようになり、たまたまタイミング的・体制的に明治維新によって消滅した」というのが実情です。で、消滅したことにより「悪影響を被ったことやもの、場所」こそ、大名行列の恩恵・影響を受けていたものに他なりません。
それは答えから言うと『お金の需要と供給・人・物資』です。
つまり文化うんぬんというより「主に経済効果」に甚大なる影響を及ぼしました。
文化はなんとなく想像つくと思いますが、経済…?と思う方も多いかもしれません。しかし大名行列が果たした最重要なことは「1:お金、2:人間、3:物」であり、特に経済に及ぼした影響は計り知れないものがあるのです。