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雑草軍団で勝つ。「オレたちにも出来る」清宮克幸が日本ラグビーに与えた勇気

降格の危機を救い日本一も経験。ヤマハ発動機を変えた名将の軌跡

■「オレたちにも出来る」

 一般的には、ニュースの「鮮度」は落ちていた。それでも、100人近いメディアを引き寄せる「磁力」とでも呼ぶべき力が、清宮克幸という男にはある。

 

 思い出の写真を手にした清宮は続けた。

「この日本一は、多くのトップリーグのチームに、あるいは大学のチームもかもしれないけれど『オレたちにも出来る』と思わせた」

 そう話す清宮の目は少し潤んでいるように見えた。

「トップリーグはずっと、強豪と言われている4チームだけが優勝争いを繰り広げてきた中に、一度低迷を経験して、人材にも環境にも恵まれない、そんなチームが4年間で日本一になれることを証明した写真なんです。

 これが、ヤマハの監督としての一番の仕事だったと思う。『やればできる』ということを、多くのラグビーチームに伝えることができたんじゃないかと思います」困難への挑戦――それが、8シーズンにわたった清宮克幸、ヤマハ発動機ジュビロ監督としての歩みだった。

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大友 信彦

おおとも のぶひこ

1962年5月7日、宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高から早大を経て1985年からスポーツライター。『東京中日スポーツ』『Number』『ラグビーマガジン』『WEBマガジン RUGBY JAPAN 365』などに執筆。著書に『奇跡のラグビーマン村田亙』(双葉社、2005年)、『オールブラックスが強い理由』(東邦出版、2011年)、『エディー・ジョーンズの監督学』(同、2012年)、『不動の魂』(実業之日本社、2014年)など。


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