義務教育の「義務」とは何への義務か(前編)
中学生の7人に1人が不登校
■不登校の原因をさぐる
とはいえ、どうしてこれほど多くの生徒が、学校に行きたがらないのか。
まず注目されるのは、13.3%という不登校(傾向)の数字が、子どもの貧困率(2015年で13.9%)とほぼ同じこと。
案の定、不登校と貧困には関連性が見出せます。
親が就学援助費を受給している者の比率は、不登校(傾向)のない生徒では
8%ですが、不登校の生徒では29.3%。
不登校傾向の生徒でも、不登校二型は19.9%ですし、一番低い仮面登校Bですら15.2%と、二倍近い数字になっています。
親が生活保護を受けている者の比率は、不登校(傾向)のない生徒で0.4%なのにたいし、不登校の生徒では7.5%。
ほぼ19倍です。不登校二型では6.7%、教室外登校・部分登校・仮面登校A(※)でも2.8%となっていました。
(※)財団の発表した資料では、この三者がひとまとめになっています。両方に当てはまる家庭もあると思いますので、単純に数字を足すわけにはゆかないものの、不登校(傾向)の生徒に貧しい家庭の子が多いのは明らかでしょう。
しかし、もっと注目すべきはここから。
不登校(傾向)の生徒に見られる最大の特徴は、貧困ではないのです。