ラグビーでも必要な“多動力”。強いチームほどポジションの壁は溶けている
「ラグビーのオモロイ観方」第4回
今年はW杯日本開催もあるし、何かと気になるラグビー。でも観方がいまひとつわからない!そんなあなたにおくる連載企画。前回W杯南アフリカ戦を観てラグビーにプチハマりしたものの、その後が続かず。もう一度しっかりラグビーを知りたいというライター福田のもとに先生があらわれた――。今回はポジション編。アップデートされるポジションの定義とは?
■ エースポジションはどこ?
〈連載「ラグビーのオモロイ観方」第4回〉〈第3回〉
福田 前回で各ポジションの役割はわかりました。でも、そのなかでも“エースポジション”は、どこになるんですか?
大西 逆に、どこだと思いますか?
福田 う~ん、前回の話も踏まえるとリーチ・マイケル選手のポジションのフランカーとか? あとはトライをとるウィングとか?
大西 たしかに両方とも重要なポジションであることに間違いはありません。でも、結局ラグビーは全員で力を合わせるスポーツ。リーチ選手の豪快な突進はプロップの献身的なサポートに支えられていたり。ウィングの独走トライは、相手ディフェンスを惹きつけたセンターのナイスパスから生まれていたりする。“全員がエース”なんです。
福田 なるほど。ひとりがいくらすごくても、周りの協力がなければ絶対勝てないスポーツですもんね。
大西 “One for all, All for one”という有名な言葉があります。福田さんも耳にしたことがあるかもしれません。
福田 どこかで聞いたような、聞いてないような…笑。
大西「ひとりは、みんなのために。みんなはひとりのために」。“one”を「人」ではなく「勝利」とする解釈もありますが、いずれにせよラグビー精神をよくあらわしている言葉です。ラグビーは、15人がそれぞれしっかり仕事をこなして、勝利というひとつの目標に進むスポーツ。それがほかの球技にはない魅力なんですよね。
福田 独特ですね! ぼくは野球が好きですが、野球の場合はピッチャーの存在がどうしても大きくて…