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カイガーマン(介護人)必読の傑作マンガ『ヘルプマン!』

【隔週木曜日更新】連載「母への詫び状」第三十六回

介護マンガの金字塔『ヘルプマン!』

連載「母への詫び状」第三十六回〉

 

 前回は介護本について取り上げたが、今回は介護マンガを紹介したい。くさか里樹『ヘルプマン!』だ。
 ビックリマークひとつの『ヘルプマン!』は2003年から14年まで『イブニング』で連載され、単行本は全27巻。2011年には日本漫画家協会賞の大賞を受賞。

 ビックリマークふたつの『ヘルプマン!!』は前連載を引き継ぐ形で、14年から『週刊朝日』に場を移して現在も連載中。

 落ちこぼれの高校生だった主人公が、徘徊していた老人を助けたことから老人ホームの現場に興味と疑問を持ち、介護の仕事をすることを決意。現実の過酷さや、制度の理不尽さに直面しながらも、じいちゃんばあちゃんの「ありがとうね」の言葉や、介護によってお年寄りが生きる力を取り戻していく姿を励みに、奮闘するストーリー。

 この作品、ぼくはつい最近までまったく知らなかった。親が倒れる前は介護マンガなど目に入らなかったし、いざ介護生活が始まってからは本やマンガを読む余裕がない。そもそも現在、『ヘルプマン!』のコミックを入手しようとしても、中古本か電子書籍しか売られていない。

 今こそ広く読まれるべきこの介護マンガの金字塔が、もうコミックで手に入らないなんて、ニッポンはどうかしてるぞと、最近知ったばかりのくせに憤慨している。そのくらいお薦めしたい作品だ。

 個人的には旧シリーズの1巻から8巻までがお気に入り。新シリーズは連載の舞台が週刊誌ということもあり、よりテーマ性が明確になり、ジャーナリスティックな内容になっている。

次のページ家族、ヘルパー、ケアマネ、職員、役所…様々な視点からリアルを描く

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夕暮 二郎

ゆうぐれ じろう

昭和37年生まれ。花火で有名な新潟県長岡市に育つ。フリーの編集者兼ライターとして活動し、両親の病気を受けて帰郷。6年間の介護生活を経験する。



ツイッター https://twitter.com/yugure1962


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