マクドナルドの礎築いた男の哲学「常識にこだわる奴は常識に殺される」
「売れない」と言われたチキンナゲットを売りまくった
■80億円売り上げた
ついに、1984年の売り上げは、当初の予測の1004億円を上まわり、1080億円を記録した。つまり、チキンナゲットだけで80億円売れたのである。そのために、日本経済新聞から、1985年のもっともよい商品の一つであるとして表彰を受けた。そうしたら、今ではどこもチキンナゲットをメニューに入れて売りはじめている。
鶏専門の店が売って失敗したものを素人のハンバーガー屋が売っても売れるわけはないというのは常識である。しかし、ときにはその常識に従ってはいけない場合もある。ときには、常識の裏をいくという手もある。常識は常に変わっている。固定した常識などは存在しない。現代に徳川時代の常識が通用しないことを見ても、わかるはずである。
私はケンタッキーがチキンナゲットから撒退したあと、アメリカにいってターゲットのちがいをつぶさに研究し、この商品なら売れるという自信をもったからこそ、売りだしたのである。
(『クレイジーな戦略論』より構成)