柏木陽介の未来日記⑬ 4年後にドキドキする
僕が呼ばれていたらスーパーサプライズ
5月12日(月)、ブラジル・ワールドカップの日本代表登録メンバーが発表された。
案の定、ザッケローニ監督の口からは僕の名前が呼ばれることはなかった。メンバー発表の当日は自宅にいたのでテレビ画面を通して知ったけれど、正直、僕が選ばれる可能性は0%に近いと思っていたから、まったく期待していなかった。「もしかしたら…」という気持ちすら持っていなかった。
2012年2月のウズベキスタン戦を最後に、僕のスケジュールのなかに、日本代表の文字は消えてしまった。代表から外された当初はチームでいいパフォーマンスを見せていればまた声がかかるかもしれない…。そんなひそかな期待を持っていたけれど、あれからおよそ2年半以上の月日が流れている。今回、もしザッケローニ監督の口から僕の名前が呼ばれていたら…それこそスーパーサプライズだと思う。
それよりも個人的には、ケンゴ(中村憲剛)さんが選ばれなかったのは本当に驚いた。個人的にもとても尊敬している選手のひとりということもあるけれど、最近の川崎フロンターレでのパフォーマンスを見ても誰もが納得のいく活躍を見せていたから。Jリーグのなかでもとても魅力的なサッカーを見せていると思うし、テレビで見ていても、実際に対戦しても本当に強いなと感じている。そのなかでもケンゴさんの存在は際立っていた。
僕以上に心を痛めている選手はたくさんいる
そんなケンゴさんを筆頭に、現在の日本代表への貢献度を考えても、メンバー入りの可能性で言えば、僕以上に心を痛めている選手はたくさんいる。レッズのチームメイトのなかでは、結局、周ちゃん(西川周作)ひとりしか選ばれなかった。槙野(智章)や原口(元気)のほうが、悔しい思いをしているはずだ。
今回選ばれた23人には、日本代表としての誇りと責任を持って頑張ってもらいたいと思っているし、自分たちの持てる力を出してワールドカップ自体を楽しんでもらいたい。欲を言えば、そのなかで周ちゃんがピッチに立ってくれたら…チームメイトのひとりとしてこんなに嬉しいことはない。
正直なところ、ザッケローニ監督が作り上げてきたチームは、客観的に見てもとてもいいチームだと思う。監督は就任してからずっとブレずに作ってきたと思うし、ブラジルでいい結果を残してもらいたいと心の底から願っている。
4年後を想像しながら日本代表を応援したい
今回のワールドカップには、ケイスケ(本田圭佑)くんやユウト(長友佑都)、シンジ(香川真司)など、同世代の選手たちが揃って出場する。そのなかに自分がいれないのはとても残念だけれど、僕の分まで頑張ってもらえるよう、テレビの前で一生懸命応援するつもりだ。4年後のロシア大会で、自分がピッチに立っていることを想像しながら…。
未来の日記に<ロシアワールドカップの日本代表メンバーに選出!>と書けるように、いまからイメトレしておかないといけないしね。次回のメンバー発表では、自分の名前が呼ばれることをドキドキしながら待っていたい。いや、あわよくば、ドキドキすらしないで「選ばれて当たり前!」という地位を築いて、余裕を持って発表当日を迎えたいと思っている。やはり、ワールドカップに出場するという夢は、サッカー選手である以上、捨てられないから。
ブラジル・ワールドカップ開催にともない、Jリーグは中断期に入るけれど、中断期前最後の試合となったセレッソ大阪戦に1-0で勝利して、ふたたび僕たちレッズは首位に立った。レッズ好調の理由については次回書いてみたいと思う。また2週間後!
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