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江戸後期、日本は世界一の識字率を誇った!「寺子屋」が果たした大きな役割

有名中学入試問題で発見する「江戸時代の日本」④渋谷教育学園幕張中学校〈前編〉

■70%以上を誇った江戸の識字率 

 江戸後期、日本は「江戸の町の人口」の他に、もう一つ、世界トップクラスを誇ったものがあります。それは「庶民」の識字率。全国平均では約60%以上、江戸の町では約70%以上でした。江戸の町の「実際」は、おそらく約80%以上だろうと言われています。

 江戸時代の日本には江戸の町を筆頭に貸本屋が沢山あり、殆ど全員にお得意たちがついていました。子供から年配まで、新品だった本が幾多の客の手を経て、もはや手垢で汚れ、すりきれ、ぼろぼろになった本でも借りて熱心に読んでいた事実を考えると、頷ける数字です。

 この数字は男性だけではなく老若男女を合わせたもので、これは当時としては極めて高いものです。当時の人口と寺子屋の数や就学率などから算出したといわれています。

 他にも、古くはザビエル、江戸時代はゴローニン、シュリーマン、ペリーなど来日した外国人たちの残した記録や言葉からも、当時の人々の高い識字率や教養の片鱗が伺えますので、その一端を紹介します。

「読み書きができて本を読む人間の数においては、日本はヨーロッパ西部諸国のどの国にも退けを取らない。日本の本は最も幼稚な本でさえ半分は漢字で書かれているのに」
(ニコライ:1861年、函館のロシア領事館付司祭として来日)
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瀧島 有

たきしま あり

江戸文化歴史研究家

江戸文化歴史研究家。学校や教科書が教えない、江戸の町の武家・庶民の真実の姿、風俗や文化、食べ物などを研究する傍ら、江戸文化勉強会「平成江戸幕府」を主宰。フェリス女学院大学、内閣府クールジャパン・アドバイザリーボード・メンバーなどを経て、法政大学文学部史学科に在学中。著書に『あり先生の名門中学入試問題から読み解く江戸時代』など。


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  • 2015.11.01