北野中・東大で同窓だった松本善明氏が語る藤田田「学校の成績はともかく商売の天才なんですよ!」
藤田田とは何者か?連続インタビュー第一回〈松本善明氏〉
■いわさきちひろのファンだった
松本は藤田との思い出、エピソードを次のように話す。
「藤田とはある時期から家族ぐるみの付き合いになったのですが、それは藤田の妻・悦子さんが、私の妻・ちひろの絵のファンであることが大きかったと思います。あいつ、田はねぇ、僕の女房のちひろに、『お妾にしてもいいぞ!』なんて、冗談を平気で言うんだ。それがみんの前であけっぴろげに、明るく言うので暗くならないんだ。とにかく特色のある男だったね」
松本がこう続ける。
「藤田の最大の武器は英会話力だった。英語を母国語とするネイティブと対等に渡り合った。アメリカ人が藤田の英語力に舌を巻いていたことがあった。藤田というのは決して秀才ではないんだけれど、頭の非常にいい人なんだ。学校の成績なんかより、現実・現場・現物で能力を発揮するタイプなんだろうねぇ。とにかく勘が抜群に良くて、ケチケチした商売ではなく、儲ける時は桁違いに大きい。そういう勝負師のようなところを、藤田には感じたね」
松本がさらに続ける。