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推定値115万人以上。世の中には「ひきこもりの壁」がある

「ひきこもり」を経験した発達障害カウンセラー・吉濱ツトムさんが「ひきこもり」の現実を語る。

 

■推定値115万人以上「ひきこもりの壁」

 僕は今までに2000人以上の「生きづらさ」を抱えた来談者と向き合ってその苦しみからいかに抜け出すかについて方法を提示してきました。特に昨今の来談者は、30代後半から40代後半の中高年の社会的ひきこもりの人たちが多いと実感しています。では、なぜ中高年にひきこもりが増えたのでしょうか。

 それは、「ひきこもりの壁」が世の中にあったからです。

発達障害カウンセラー・吉濱ツトムさん

 内閣府のデータをおさらいしてみます。下の図を参照ください。

長期高齢化するひきこもり

 

 2016年9月に発表された内閣府の調査では、学校や仕事に行かず、半年以上自宅に閉じこもっている15〜39歳(若年層)のひきこもりの人は、全国の推計値で54万1000人と公表されました。そのうち約35%が7年以上のひきこもりです。

 また、ひきこもりになった年齢が20〜24歳が34・7%に上ります。

 さらに本年3月内閣府が公表した40〜64歳(中高年層)までの調査(内閣府政策統括官「生活状況に関する調査報告書」)では、61万3000人(40〜64歳人口:4235万人の1・45%)がひきこもりとの推計値が発表されました。

 単純に若年層のひきこもり推計値と合算して115万人超。ここで注目したいのは、中高年層の数の方が7万人強多いということです。ひきこもりの「長期高齢化」が進んでいることがわかると思います。

 前回調査の16年に39 歳だった方に視点を合わせて、彼らが大学新卒時の22歳の時を振り返ると、大学を卒業する就活時期と就職してから1〜2年でひきこもりになったと考えられます。

KEYWORDS:

『今ひきこもりの君へおくる 踏み出す勇気』
著者:吉濱 ツトム

 

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年齢は関係ありません。
「ひきこもり」の改善はいつからでも間に合います。
今日からすぐにできるのです。

2018年内閣府の調査で40歳から64歳までの「ひきこもり」が、61万3000人。もしも彼らを支える親たちが「無職」になったら…。今、世間で不安視されているのが、「7040(ななまるよんまる)」問題。定年退職した70代の親が40代無職の我が子の世話をし、共倒れするリスクのことである。今や、その流れは「8050(はちまるごーまる)」問題にまでスライドされた。

では、どうすればいいのか? 

著者の吉濱ツトム氏は、元ひきこもりで、自らのアスペルガーを克服し立ち直った発達障害カウンセラー。2000人を超える個人セッションを行った氏は、こう語る。
そもそも、なぜ「ひきこもり」となってしまったのでしょうか。
自分がダメ人間だから?  甘えているから? はたまた親のしつけが悪かったから?
いいえ、違います。その考えはいったん捨ててください。ひきこもりの多くは「発達障害」と関係しています。

ひきこもり者を治療するという発想を捨て、今の「生きづらさ」を回避し、自らの「長所」でカバーする。本書は、ひきこもりで苦しむ本人とご家族のみなさんといっしょに社会への小さな第一歩を確実に踏み出せる方法を考えわかりやすく解説します。

さあ、今すぐにはじめていきましょう。

 

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吉濱ツトム

よしはま つとむ

発達障害カウンセラー

発達障害カウンセラー。幼い頃より自閉症、アスベルガーとして悩み、長期間にわたる「ひきこもり」を経験。悲惨な青春時代を歩むが、自ら発達障害の知識の習得に取り組み、あらゆる改善法を研究し、実践した結果、数年で典型的な症状が半減。26 歳で社会復帰。以後、自らの体験をもとに知識と方法を体系化し、カウンセラーとなる。同じ症状に悩み人たちが口コミで相談に訪れるようになり、相談者数は 2000 人を超える。現在、個人セッションのほか、教育、医療、企業、NPO、公的機関からの相談を受けている。著書に『アスベルガーとして楽しく生きる』(星雲舎)、『隠れアスベルガーという才能』(KK ベストセラーズ)、『発達障害に人のための上手に「人付き合い」ができるようになる本』(実務教育出版)がある。

 

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