MMT批判がおかしいと一発で分かる方法
話題のMMTブームの仕掛け人、評論家・中野剛志が緊急寄稿
「インフレが行き過ぎるおそれがあるなか、巨額投資によりインフラをどこまで維持していくか、重い判断が迫られる。」
どうです?こう書くと、説得力ゼロでしょう。
二十年もデフレで悩む日本で、こんなバカげた政策論もあったものではありません。
そこで、日経新聞をはじめとする緊縮財政論者は、インフラ投資を抑制したい時は「財政が厳しいから」と言いながら、MMTについては「インフレが止まらなくなる」と別の論理にすり替えて批判するのです。
要するに、二枚舌です。
ほかにもMMT批判者たちは、一発でおかしいと分かるような議論を平気でします。
例えば、彼らは、「いったんインフレになったら、そう簡単には止められない」証拠として、第一次世界大戦直後のドイツ、第二次世界大戦直後の日本、ジンバブエ、ベネズエラといった、極端かつレアなケースを挙げてきます。
しかし、過去四十年間、ほとんどの国は、マイルドなインフレです。
つまり、インフレになっても、ハイパーインフレにはなっていない国の方が、圧倒的に多いということです。
これらの国々は、どうやってハイパーインフレになるのを阻止できているのでしょうか?それとも、日本だけがインフレを止められない理由でもあるのでしたら、教えて下さい。
ちなみに、日本だけがデフレですが。
MMT批判者の中には、「インフレが止められない理由は、簡単には増税できないからだ」と主張する者もいます。しかし、この議論がおかしいことも、目の前の現実を見れば、一発で分かるでしょう。
日本は、デフレであるにもかからわず、2014年に消費増税をやって、さらに今年、二度目も予定しているのですよ。
それとも、日本は、デフレ下での増税はできるけれど、インフレを止めるための増税はできないとでもいうのでしょうか。
いったい、どういう国なんだ?
このように、MMTを批判するエリートたちは、まともに議論することすら、できない人たちなのです。
まあ、そう考えると、日本経済の停滞が二十年以上も続いているのも、何の不思議もないわけですが・・・。
ところで、どうして、こんなデタラメな議論がまかりとおってしまうのでしょうか?
その驚くべき答えは、『全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】』に書いてあります。
【注意事項】
なお、この記事中の「インフレ」とは、需要に引っ張られたインフレのことであって、地政学リスクによる原油価格の高騰や不作による食糧価格の高騰などのインフレ(コストプッシュインフレ)は含みません。コストプッシュインフレは、財政赤字の大きさとは何の関係もありません。ご注意ください。
しかし、日本のエリートたちは、地政学リスクによる原油高のせいで物価が上昇したら、「ほら、インフレになった。だから財政支出は増やせないね」って、言いだしそうですね。なにせ、まともに議論することができない人たちですから・・・。
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日本のMMT[現代貨幣理論]ブーム仕掛け人・中野 剛志の簡単解説。
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――中野剛志
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世の中のカラクリをここまでバラした。