初心者アラサー兼業農家の苦悩。私の畑に害を加えるのは誰だ!?
※虫の写真があります。
【第10回】都内の美人営業マンが会社を辞めて茨城の奥地で狩女子になった件
【都内のバリバリ営業マンから一変、茨城で農家をやってみたところ】
皆さんこんにちは! 茨城県でヨガのインストラクターの傍ら、新米猟師をしているNozomiです!
さて、前回は、解体のスタイルや方法について掘り下げて綴らせて頂きましたね。今回は、私がイノシシから守っている畑について、新米兼業農家の立場からお伝えさせて頂こうと思います。東京の会社員勤務から一変、兼業農家になって2年目に入ろうとしている現在、私は様々な苦悩と戦う日々です(泣)。私の拙い文章を通して少しでも“狩猟”に興味のある方、すでに“狩猟”に携わっている方、そして何より“いのち”と向き合っている方のお役に立てれば幸いです。
さて、実りの秋が到来ですね! おばぁちゃんの畑のお手伝いを始めてから1年が過ぎました! おばぁちゃんはもうすぐ90歳。最初は“おばぁちゃんのお手伝い”として畑に入っていた私でしたが、最近は積極的に畑の運営を任せてもらえるようになってきました。大事に大事に育てていた落花生をイノシシにやられた事がきっかけで狩猟を始めましたが、この一年、畑をやってみてイノシシだけが畑の敵では無いことに気が付いた私です。
【許すまじぃぃぃ! 野菜ドロボーッ!】
私たちの畑は、おばぁちゃんち周辺の畑ともう一区画、おばぁちゃん家から少し離れた(自転車で5分くらいでしょうか)山裾のあたりにあります。山裾の畑には道沿いに金柑が植えてあります。何年も昔に金柑好きの私の為に当時まだ生きていて元気だったおじぃちゃんが植えてくれた金柑です。春先はいつもおじぃちゃんと軽トラの荷台にいっぱいの金柑を積んで、祖父母のおうちでお腹いっぱい金柑を食べました。今年の春先、懐かしい金柑に思いを馳せながら籠をもってわくわく金柑のもとへ赴きました……が、びっくり仰天……!
金柑が、きれいに無い……!!(´;ω;`)
今年は不作だったのか!?
時期を間違えたのか!?!?
いや、待て! 違うぞ!! あたり一面は甘酸っぱい金柑のにおいに満ち、よく見ると虫食い金柑や、傷んだ金柑はそのままではないですか……(; ・`д・´)
おばぁちゃんに報告したところ、おじぃちゃんが亡くなってからというものの、時期になると離れた区画に植えてある青梅や金柑がごっそりと無くなるのだと言うではないですか……!! ムキィィィイイイ~っ!! 許すまじ野菜ドロボォォォゥ!! 私たちの青梅や金柑は市場に出荷しているわけではないので被害額は大した事はないですが、思い出をかっさらわれたような悲しい気持ちです。
昨年2018年度の全国での農作物の窃盗被害件数は、なんと3000件にものぼるそうです(農林水産省調べ)。そして被害件数は年々増加傾向にあります。その中でも特に茨城県での窃盗被害件数は多く、ワースト1位だというではありませんか……!
昨年9月、お隣の笠間市では生産組合の倉庫からコシヒカリの新米が約1トン(!?)がなくなっていたという窃盗事件もありました……。悲しい話です。農業は周囲への信用で成り立つお仕事です。工場で作れるような商品とは違って、農作物は、畑で管理しています。畑に鍵をかけることは不可能だし、24時間警備も不可能です。防犯カメラをつければいいと思うかもしれませんが、まとまって土地を持って農業をしている農家さんだけではありませんし、まとまって畑を持っていたとしても広大な土地をすべて監視するには莫大な費用がかさみます。
どうしたら野菜を守れるのでしょうか……。
おばぁちゃんが言うには、昔は野菜ドロボーなんていなかったそうです。集落の皆でお互いの畑を見守り、助け合いながら農作業をし、畑では男手だけではなく、女手も大活躍なので、学校に行けないような小さな子どもたちは村で預け合いながら農作業をしたものだそうです。冠婚葬祭やけが人が出た時などももちろん手薄になった分は周囲で助け合うのが当たり前だったそうです。近代化が進むにつれて、互いの関係性が希薄になっている今、私に、私たちにできる事とは地域の交流を深め、互いに興味を持ち、信頼関係を築いていく事なのかもしれません。