東京大賞典を勝利で飾ったM.デムーロ騎手の逆襲に暗雲⁉ 2020年も買えない!? その「理由」とは…
2019年は100勝に届かず!勝ち鞍激減のM.デムーロ騎手に何が起きているのか⁉
■M.デムーロ騎手のエージェント変更は吉と出るか? 凶と出るか⁉
東京大賞典を勝利し、何とか最後を締め括った格好のM.デムーロ騎手。18年末にホープフルSを勝利したサートゥルナーリアを降板させられるなど、何かと2019年は苦労した格好だった。そんなM.デムーロ騎手が2019年の年末にエージェントとの契約を終了させ、1、2月は美浦で騎乗することが表明されたのだ。
「新エージェントはみんなが思っている大物ではないよ。だから乗り馬集めは苦労すると思うな~。そもそもノーザンF系の信用を失っているのが大きいよ」と専門紙TMは語る。
17年に171勝、18年は153勝、昨年の19年は91勝と大きく勝ち星を減らした始末。武豊騎手が久し振りに100勝(111勝)を超えたのとは対照的な成績だった。
「エージェントをコロコロ変え過ぎたよね。武豊騎手は平林元エージェントの引退によりルメール騎手、浜中騎手と同じ豊沢信夫氏をエージェントに迎えた。武豊騎手に人気はあっても、平林元エージェントとそりが合わない厩舎があったのも事実。豊沢氏に変更したことにより、目立つってほどではないけど前走ルメール騎手、つまりルメール騎手が乗れない馬も回ってくることが増えたよね」と同TM。
TMの指摘通り、17年はルメール騎手からの乗り替わりは10鞍で3勝だったものが、18年は14鞍で4勝、19年は25鞍で5勝というように目立つほどではないものの騎乗数と勝利数が増えているのだ。浜中騎手からの乗り替わりも結果はそれほどではないが増えたのは事実。
「ミルコ(M.デムーロ騎手)は通年免許取得時に豊沢氏が担当していた。ところが、ルメール騎手へのライバル意識から競馬ブックの井上氏に変更。そこまでは仕方がない面もあったのかもしれないけど、そこから大谷氏に変更してしまったのが正直、プラスではなかったよね」と別の競馬専門紙TMは語る。
エージェントが騎乗馬の質を左右する決定権の権限を完全に握っているわけではないものの、そのエージェントが強い厩舎、強い関係者、というのは当たり前だが人それぞれで違う。営業スタイルも異なる。
「関東でのエージェント予定者では厳しいと思う。戸崎騎手が怪我をして不在なので、それなりに馬も回ってくるかもしれないけど、本人も確証があって1、2月を関東で乗るって訳じゃないと思うよ」と手厳しい。
実際、ノーザンF系のクラブ(サンデーR、キャロットF、シルクR)はM.デムーロ騎手を避ける傾向が増えている。17年は61鞍で21勝、18年は55鞍で12勝、19年は31鞍で5勝という具合だ。
「武豊騎手のようにクラブの馬に乗らなくても成績を残せる騎手というのは強いけど、元々、クラブ馬が多かった騎手だし、クラブに乗せてもらえなくなると厳しいよね」というのが関係者による大多数の意見だった。
心機一転を図ろうとしているM.デムーロ騎手が正月競馬で爪痕を残せるのか。関東の競馬関係者からの評価が上がるのかにも注目したい。