そもそも、なんで「働く」んだっけ？
～ニート株式会社の実験と冒険～
現在観測 第20回
自分の「存在価値」を見つけたい
「若新ってやつは、ニートをあつめて会社をつくったりしたけど、全然仕事はできてないし、給料をもらえるようになったメンバーもほとんどいないらしい。ちゃんとした支援もできないのに、無謀な夢だけ見せて無責任だ！」
僕は、そんなようなことを言われているようです。
でも、それは大きな勘違いです。僕はそもそも、ニートたちを「支援」しようなどと思ったことは一度もありません。
会社をつくれば、仕事やお金がもらえるようになるという保証なんてまったくしていないし（だから全員が取締役なんです）、僕についてくれば成功できる！なんて夢を与えたり語ったりしたことも一度もありません。
でも、自分なりの夢をみたメンバーはいると思います。そして、現実との狭間で挫折したり、葛藤したりしているのだと思います。
誰かが自分たちのことを「ゴミ」だと言ったとしても、社会的に「ゴミ」だという設定になっていたとしても、自分には向かうべき場所があり、必要とされる役割があり、待っている人がいる。
全ての人間にとって、社会の中でなにかしらの活動をしようとすることの根源は、自分の「存在価値」を見つけたい、手に入れたいということかもしれません。
それは、単に、仕事をするとか、就職するということだけで実現できることじゃなくなってきているような気がします。けれども、それがなんなのかはなかなか分からない。
そして、一部の若者たちはそれを、「働く」ということを超えて模索し始めているのかもしれません。
