ボートレース界期待の若手レーサーに密着
名門大学出身、父親の反対を押し切ってデビュー
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富樫麗加(とがし・れいか)
1989年11月8日生まれ、東京都出身。大学卒業後に企業の内定をもらうが、ボートレーサー養成学校の「やまと学校」(福岡県柳川市)に入学。13年5月19日、平和島(東京)でデビュー。3月22~27日に蒲郡(愛知)で行なわれるG3オールレディース「第7回夜の女王決定戦」出場予定(写真/中田智章)
ボートレース公式サイトhttp://www.boatrace.jp
直線で80km/h、旋回時で50km/h。水面を船体が跳ね、時に激しく接触。『水上の格闘技』とも呼ばれるボートレースの世界に身を置くのが富樫麗加選手だ。
「ボートは男女の区別なく6艇で競走します。今はデビュー3年目でB1級なので、今年はA級に上がるのが目標です!」
私服の彼女からは勝負師の雰囲気は全くない。むしろお嬢様的な可愛さだ。
「小学校から大学まで女子校だったんです。大学1年の時に母とサイクリングをしていたらエンジン音が聞こえて、何だろうと思ったらボートレースでした」
たちまちスピード感と迫力に魅せられた。すぐに大学を辞めて養成学校に行きたいと両親に申し入れた。
「当時は入学年齢制限が20歳でしたから。もちろん大反対されて、その後、年齢制限が緩和されて、両親が“大学卒業したら”と。それがいつの間にか“就職内定もらったら”になって(笑)。でも、約束通り一般企業の内定も取れたので、ボートレーサーの道を選びました」
そんな彼女もボートを前にすると表情が一変。男子選手に混ざって重いエンジンを取り付けて調整し出走。ヘルメットの奥から覗く眼光が鋭くなる。
「ぜひ、私たちの走る姿と実際の音とスピードの迫力を観にきてください」
うん、ぜひとも応援したい!
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最初は「工具の名前すら知らなかった」というが、今ではプロペラやエンジンの整備も全て自分で行なう。