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子どもの頃の「将来の夢」、実現している人ってどれだけいるの?

「夢」「やりたいこと」の“非”生産性

「将来の夢」について作文を書いたり、将来就きたい職業になるためのプロセスを調べさせられたり……。みなさんは、小・中学生の頃、学校でこんな経験はありませんでしたか? 実は日本社会は学校教育に代表されるように、積極的に「夢」を追いかけるよう子どもにはたらきかける傾向があるのです。
しかし、夢を持つことはそんなに素晴らしいことなのでしょうか? そもそも、子ども時代に夢を持ったとして、それを実現できる人というのは、どれだけいるのでしょうか?
夢を持つことに生産性があるのかどうかについて、キャリア教育の専門家、児美川孝一郎先生に聞きました。

 

「夢」を実現した人の割合

 この世の中には、自らの「夢」を見事に実現したという人たちが存在している。それは、まぎれもない事実だ。一流のスポーツ選手やミュージシャン、芸術家といった特定の著名人だけのことを言っているのではない。ごく普通の人の中にも、小さい時から、あるいは中・高校生の時代になりたいと思っていた職業に、実際に今就いているという人はいる。
 では、そんなかつての「夢」を実現したという人の割合は、各世代の中でどれくらいになるのだろうか。

表 夢の職業につくことができたか

 表は、株式会社セレスが2012年に実施した「子どもの頃の夢と(現在の)職業比較」調査の結果の一部である。
 インターネットを通じた調査なので、回答者がランダムに抽出されているとは限らないという点には注意が必要であるが、なかなか興味深い結果である。「小学生の頃、夢だった職業に就くことができたか」という質問に対する回答が、4つの選択肢から選ばれている。
 グラフをじっくり眺めてみると、いくつかのことがわかる。

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児美川 孝一郎

こみかわ こういちろう

1963年東京都の生まれ。東京大学教育学部、同大学院教育学研究科博士課程を経て、96年より法政大学に勤務。2003年よりキャリアデザイン学部助教授、07年より同教授(現職)。専攻は、教育学(青年期教育,キャリア教育)。日本教育学会理事、日本キャリアデザイン学会副会長。主な著書に『若者とアイデンティティ』(法政大学出版局)、『「親活」の非ススメ』(徳間書店)、『キャリア教育のウソ』(ちくまプリマー新書)、『まず教育論から変えよう』(太郎次郎社エディタス)等がある。


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